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高校生で迫られた右肘手術と後遺症「どん底でした」 3年の空白乗り越え…153km右腕が“2軍球団”に来た理由

経験豊富な打者との対戦で気づきは多いという細谷(右)【写真:羽鳥慶太】
経験豊富な打者との対戦で気づきは多いという細谷(右)【写真:羽鳥慶太】

聞かされたトミー・ジョン手術の真実「放っておいても上がらない」

 4年を迎えるころには、目標と周囲の期待に押しつぶされそうになっている自分を感じた。「うまくバランスが取れないメンタリティになっていたんです。それをもうちょっと、言い方は軽いですけど軽く考えるようにして。休むということも大切だと考えて」。ようやく春、秋の両シーズンでマウンドに上がれたが、NPBからの指名はなかった。そこで届いたのが“2軍球団”オイシックスの誘いだった。

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「社会人に行きたかったんですけど、ちょっと厳しいっていう話で。でも、せっかく硬式野球を続けるんだったら、自分が目標にしているプロ野球(NPB)というところに一番近いところだなと思ったので。NPBの選手たちと2軍で対戦して結果を残すのが一番のアピールになるでしょうし、自分の実力でどこまでいけるのか、しっかり試していける環境だと思いました」

 投げられなかった3年間を漫然と過ごしていたわけではない。手術前には「トミー・ジョン手術後には球速が上がる」という説の“裏側”を聞いていた。

「一般的に言われている『球速が上がる』というのは、投げられない間に他のトレーニングや柔軟性を高めることができるから、相対的に球速も上がるとドクターから説明されたんです。『手術したからといって、放っておいても球速が上がるわけじゃない』と」

 そのため、手術から“復帰”するのではなく、もっとレベルアップした自分になろうという考えは常にあった。大学入学時には82キロほどだった体重は100キロを超えた。筋肉をつけて増やしたのだ。そして大学では時間が足りず、身につけられなかった技術を、オイシックスで進化させようとしている。

 2月のキャンプでは、自慢の真っすぐを軽々と打ち返すNPB経験者の打撃に驚いた。同時に、やらなければならないことも明確になった。「プラスアルファで何かしないといけないなというのは、改めて感じました。三振の取れる変化球がなくて『困ったら真っ直ぐ』しかないという状況になってしまって。落ちるボールを身につけようと練習しています」。20日の日本ハム戦では、2回1失点ながら3つの三振を奪う力投で初勝利を挙げた。遅れてきた成長期を濃密な環境で過ごし、さらに上の世界を目指していく。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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