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“意図しないドーピング”の悲劇を繰り返さない 複雑化する規則…日本人アスリートを守る新たな防衛策とは

河野氏はサイトを通じてアンチ・ドーピングの意識を高めてほしいと願う【写真:近藤俊哉】
河野氏はサイトを通じてアンチ・ドーピングの意識を高めてほしいと願う【写真:近藤俊哉】

サプリメントに関する情報発信を通じて「リテラシーの向上を」

 そこで2025年9月、日本スポーツフェアネス推進機構では、日本スポーツ政策推進機構と連携の上、アンチ・ドーピング政策推進プロジェクト『クリーンスポーツニッポン』をスタートさせた。現在、プロジェクトの一環としてサプリメントの情報サイト『クリーンスポーツニッポン・セレクト』と、アンチ・ドーピング規則違反の疑いなどが生じた際、アスリートを法的に支援する『クリーンスポーツニッポン・アスリートサポートデスク』を運用している。

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『クリーンスポーツニッポン・セレクト』に掲載されているサプリメントは24製品(2026年3月現在)。掲載対象の製品は、10年以上にわたり、スポーツ統括団体や中央競技団体をサポートする企業の製品に限られている。WADCにおけるドーピング検査の時効は10年。検体は2大会前にさかのぼり再分析されるため、10年間という実績を重視する。

「このサイトにアクセスすれば、サプリメントの製造過程や成分、分析結果に関する情報が誰でも簡単に手に入ります。サイトには多くの人にとって身近なポカリスエットやアミノバイタルといった製品、ネイチャーメイドのようなビタミン剤などが掲載されています。例えばアンチ・ドーピングの意識が低い中高生らも、これを見れば『スポーツドリンクにも注意をする必要があるのか』と意識するようになる。そういった積み重ねにより、ドーピングから自分自身を守る、リテラシーの向上にもつながります」

 また、このサイトに掲載されている製品はすべて、第三者認証を受けた製品であることに加え、製造販売する企業側からの情報提供の申し出を受け、さらに認証とはまた別の第三者で構成する審査委員会において厳格にチェックされたものに限られている。河野氏は最後に、日本のスポーツ界にもサプリメントが普及している現状を踏まえながら、サイトを運営する側から未来のあるアスリートたちにメッセージを送った。

「サイトには現在、大塚製薬や味の素といった企業の製品が掲載されていますが、企業自ら透明性の高い情報を開示し、社会的責任を果たす姿勢を示していることは高く評価されるべきです。

 日本のトップアスリートの8~9割以上が何らかのサプリメントを利用しているという調査結果もあります。また、最近では成長期の子どもを対象にしたプロテインも発売。今や若年層からサプリメントを使う時代です。これだけ日常的にサプリメントの使用が広がっている今、『アスリートの自己責任だから』という言葉だけで片づけることはできません。情報が届きにくい層を中心に、安心できる情報をどのように伝え、アスリートの判断をサポートしていけばよいのか。今後も課題感を持ち、取り組む必要があります」

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。人物インタビュー、ヘルスケア、ダイエット、トレーニングの分野を軸に、雑誌、書籍等で編集・執筆を行う。担当書籍に『すごい股関節』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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