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「フィジーより日本で挑戦を」「開花した姫野和樹の後継者」 2027年W杯を狙う次代のラグビー日本代表の原石5人を発掘

アウトサイドCTBからFBまでをカバーするメイン平【写真:吉田宏】
アウトサイドCTBからFBまでをカバーするメイン平【写真:吉田宏】

平が感じるエディージャパンとジョセフジャパンの違い

 今回紹介した5人の中では、今回のエディー体制と23年W杯まで指揮を執ったジェイミー・ジョセフHC時代に合宿参加経験を持つ。そんな平に2つのジャパンの違いを聞くと興味深い分析が聞けた。

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「エディーさんの場合は本当に細かい。1個1個のブレークダウンの入り方だったり、アタックのシェイプの形だったりがすごく細かいので、しんどい中でも正しいポジショニングをすることがすごく求められる。そこは本当に神経を尖らせる部分ですね」

 その一方で、ジョセフHC時代には、コーチの役割自体も違っていたという。

「僕の感覚ですけど、ジェイミーさんの場合はブラウニーさん(トニー・ブラウン・アシスタント・コーチ)がアタックのシェイプを作っていた。なので、ちょっと複雑だった記憶です。エディーさんは、1個1個のディテールは細かいけれど、アタックの大まかなシェイプというのは本当にシンプルで、セイムウエー(同じアタック方向)にどれだけ早く行くとか、やり易さもあるかと思います」

 今季も怪我でチーム合流はリーグワン6節から。そんな出遅れが、実戦でのパフォーマンスを評価材料とするエディーには十分なアピールが出来なかったと感じていた平。だが、今回の菅平合宿では、自分自身へのバージョンアップを見出し、取り組んでもいる。

「僕自身は一番にはFBを狙いたいけれど、他のポジションが出来るというのが強みなので、そこはちゃんとアピールしていきたい。そしてエディーさんからは1個武器を持てとも言われてます。それがキックで、タッチライン際でのグラバーキックだったりロングキックを求められたので、そこは自分の得意な部分でもあるので取り組んでいけますね。それから、この合宿に来てからはボールを持っていない時の動きというのも、自分の強みかなという発見もありましたね」

 5人それぞれが、置かれた境遇や、選手としての背景も大きく異なるが、その沸々と沸き上がろうとしているポテンシャルだけは同じだ。5人に必要なのは、いかにテストマッチという過酷で容赦のない真剣勝負で、プレータイムを伸ばし、自分の経験値を上げていけるのか。エディー、そしてチームにとっては、2013年の大金星と同じウェールズから、ブレークスルーを狙う夏のテストシリーズ。

 リーグワンが幕を下ろした日本ラグビーは、桜のシーズンを迎えようとしている。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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