「女性には指導できない」の偏見を打破できるか 五輪出場3度、競歩・岡田久美子監督の新たな挑戦
競歩日本代表として、3大会(リオデジャネイロ、東京、パリ)連続で五輪に出場し、2025年11月に現役引退を発表した岡田久美子氏が、今年4月に株式会社LOCOKが立ち上げた陸上競技クラブの初代監督に就任した。LOCOK陸上クラブの石井大裕GMと、スポーツのジェンダー史に詳しい中京大学の來田享子教授に、日本における女性指導者の現状や、変革に向けた取り組みなどについて聞いた。(取材・文=長島 恭子)

LOCOK陸上競技クラブ初代監督に岡田久美子氏が就任
競歩日本代表として、3大会(リオデジャネイロ、東京、パリ)連続で五輪に出場し、2025年11月に現役引退を発表した岡田久美子氏が、今年4月に株式会社LOCOKが立ち上げた陸上競技クラブの初代監督に就任した。LOCOK陸上クラブの石井大裕GMと、スポーツのジェンダー史に詳しい中京大学の來田享子教授に、日本における女性指導者の現状や、変革に向けた取り組みなどについて聞いた。(取材・文=長島 恭子)
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「女性アスリートを女性がコーチするという一つの新しい挑戦。この挑戦をきっかけに、競歩界をさらに盛り上げていけるよう精進したい。指導に関しては一からのスタートとなるが、これまでの経験を生かしながら新たに勉強したことをプラスして、少しずつ成長していきたい」
今年4月、幼児教育を軸に事業を展開する株式会社LOCOKは、陸上競技クラブの発足を発表。初代監督に就任したのは、五輪3大会に出場し、長く日本女子競歩を牽引してきたレジェンド・岡田久美子氏だ。
同クラブには9月のアジア競技大会(愛知・名古屋)への出場が内定している、競歩女子日本代表の梅野倖子が所属。岡田監督との二人三脚で、まずは同大会のマラソン競歩でメダル獲得を目指す。
岡田監督の就任は、スポーツ界において極めて少ない「女性エリートコーチ」の誕生という点で注目を集める。女性エリートコーチとは、自らがロールモデルとなり得る高い競技レベルで指導を行う女性コーチを指す。
LOCOK陸上クラブの石井大裕GMは、岡田監督の起用について「梅野選手の強化が大前提ではあるが、加えて、女性アスリートのライフステージとセカンドキャリアの開拓者としても期待している」と語る。
同社は岡田監督と期限付き契約ではなく、正社員として契約を交わした。その背景には、岡田監督とともに長期的かつ包括的なチーム作りを行っていく方針がある。
「岡田監督には陸上部の監督という枠にとどまらず、次世代育成や啓発活動、弊社指導者の女性活躍など、様々な業務にも携わっていただく。競技成績のみで評価するのではなく、LOCOKというチームのカルチャーを共に創り上げていきたいと考えています」(石井GM)
スポーツ界では女性選手と同様、女性エリートコーチがキャリアを形成するうえでも「ライフステージの変化」は大きな障壁となってきた。LOCOKは岡田監督と契約を結ぶにあたり、結婚や出産、子育てに対する考え方についても幾度も話し合いを重ねたという。
「岡田監督自身が、指導者として、また一人の女性として充実した人生を歩む姿を見せることは、所属選手や次世代の女性アスリートたち、さらには母体となる企業の女性社員のロールモデルにもなる。そのための環境づくりや発信活動は、社を挙げて全面的にバックアップしていきます」(石井GM)
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