「これからの競技人生の方が長い」ドルーリー朱瑛里、現在地の先に見据える光 秋から米大進学へ
現在地を受け止めながらも、その言葉には確かな光が宿っていた。陸上女子中距離のドルーリー朱瑛里(18=岡山陸協)は、13日の日本選手権女子1500メートル予選を終えた後に言った。「今が競技人生のピークではないですし、まだまだこれからの競技人生の方が長いと思う」。悔しさは隠し切れなかった。それでも視線はうつむかない。見据える先には、自身が思い描く未来があった。

陸上日本選手権
現在地を受け止めながらも、その言葉には確かな光が宿っていた。陸上女子中距離のドルーリー朱瑛里(18=岡山陸協)は、13日の日本選手権女子1500メートル予選を終えた後に言った。「今が競技人生のピークではないですし、まだまだこれからの競技人生の方が長いと思う」。悔しさは隠し切れなかった。それでも視線はうつむかない。見据える先には、自身が思い描く未来があった。
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予選2組。ドルーリーは4分20秒54の11着で決勝進出の上位6人には届かなかった。ミックスゾーンで記者の前に立ち止まると、少し沈黙を置いて、言葉をつむいだ。結果を「やっぱりラストで勝ち切れるだけの準備ができてなかったと思います」と振り返った。貧血の症状もあったという。ただ、「数値だけで判断するのではなく、揺るがない自分。そういったものを持ってレースを迎えたつもり」と言い訳にするのを嫌がった。
レースは日本記録保持者で7連覇を達成した田中希実(豊田自動織機)と同組だった。「ずっと憧れていた選手の1人。その存在は、日本の女子中長距離界を引っ張ってくださっている」と尊敬のまなざしを向けた。田中とは約14秒差。小さくなっていく偉大な背中は、憧れだけでなく、負けず嫌いの心もくすぐった。「私もそんな存在になれるように。体調もそうですし、しっかり弱点を強化して、もう1段階強くなった自分で帰ってこれるように」。肌で感じた凄みと、その距離感に向上心はかき立てられた。
岡山・鶴山中3年時の22年全国中学校体育大会(全中)女子1500メートルを優勝し、翌23年の全国都道府県対抗女子駅伝では3キロ区間で17人抜きの快走を披露した。高校は地元の進学校・津山に進んだ。24年はU20アジア選手権の女子1500メートルで金メダル、U20世界選手権代表にも選出された。プレッシャー、貧血とも向き合い、模索の日々を過ごしてきた。
必要なものは何か、伸びしろはどこか。自分を冷静に整理し、成長の可能性を探る。「いつも課題となっているラストの動きっていう部分で、まだまだ技術的にも、伸び代はあると思っています。自分の弱みと強みっていうのをしっかりと明確にして、体調の部分でも整えて、また次に繋げられたらいいかなと思っています」。前に進む材料として、今を直視する。
カナダ人の父と日本人の母を持つ18歳。ポテンシャルを結果につなげるべく、9月からは米ワシントン大に進学する。米国でも屈指の強豪であり、学問レベルもトップレベルの名門だ。目指すのは世界で戦うこと。その力を磨くため、世界の基準を日常で感じられる環境に飛び込むことを決断した。
「向こうに行けば、向こうのやり方もありますし、そこで自分がどれだけ変われるのか、楽しみです。そこ(入学)までの期間でも、自分のパフォーマンスをもっともっと上げていきたい。今が競技人生のピークではないですし、まだまだ、これから競技人生の方が長いと思う。しっかりと自分と向き合って、自分の足りないところを強化して、本当の意味で自信を持って、レースを楽しんで臨める状況になれるようにしていきたいと思います」
海外での生活、価値観にも触れながら、可能性を広げていく。
もちろん、迷いなんか無縁のまま、一直線の成長曲線を描いた方がいいに決まっている。でも、平坦でない道を進んだからこそ培われる強さだってある。経験を糧に、ドルーリーは進化の過程としていく。
(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)
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