W杯日本で異彩放つ“黒いスパイク”の秘密「ほとんどが他社…誇らしい」 DF鈴木淳之介と創業20年企業の二人三脚
世界中のサッカーファンが視線を注ぐ北中米ワールドカップ(W杯)。日の丸を背負いピッチを駆けた1人の選手の足元を、ある日本企業が支えている。飲食店とオフィスビルが軒を連ねる東京・五反田。この街に本拠を置くのはスポーツブランド「SVOLME(スボルメ)」だ。従業員は14人。創業20年の節目の今年、世界最高峰の舞台で“黒い一足”が確かな存在感を示した。

スポーツブランド「SVOLME(スボルメ)」
世界中のサッカーファンが視線を注ぐ北中米ワールドカップ(W杯)。日の丸を背負いピッチを駆けた1人の選手の足元を、ある日本企業が支えている。飲食店とオフィスビルが軒を連ねる東京・五反田。この街に本拠を置くのはスポーツブランド「SVOLME(スボルメ)」だ。従業員は14人。創業20年の節目の今年、世界最高峰の舞台で“黒い一足”が確かな存在感を示した。
東京から約1万キロ離れたメキシコ・モンテレイ。22歳のDF鈴木淳之介がW杯デビューした。SVOLMEのスパイクを履き、チュニジア戦の後半29分から左ウイングバックで途中出場。日本の勝利に貢献した。取締役の谷川洋二郎さんは「試合に出てくれたことはすごくうれしかった。それ以上に怪我なくプレーしてくれて安心したという気持ちが大きいです」と目を細めた。
谷川さんは鈴木のプレーを自宅で観戦。画面越しに見守り、その姿を撮影して社内でシェアした。「みんな同じ景色を見ていたと思いますが、その喜びを身内で共有していました」と照れ笑い。試合後、鈴木に連絡をすると「ありがとうございます。頑張ります」などと、ラリーは多くないがいつもと変わらない様子が伝わってきた。

出会いは約6年前、鈴木の帝京大可児高(岐阜)時代だ。今でも鮮明に残る一戦がある。
東京・駒沢陸上競技場で行われた第99回全国高校サッカー選手権の3回戦で、帝京大可児高は、松木玖生(現サウサンプトン)擁する青森山田(青森)に2-4で逆転負け。その中でボランチとしてプレーしていた鈴木に目を奪われた。2年生ながらの出場だったが「相手が誰でも変わらずプレーしていて、人一倍大きく見えた。いつも通りの感じで、裏を取るのが上手かったり、ボールの扱いが上手でした」。高校生離れした技術と状況判断が当時から際立っていた。
その後、スパイクの使用を打診し「足によく馴染みます」とのフィードバックを受けた。特注ではないが、高品質なカンガルーレザーと「甲高幅広」の設計が鈴木の足にフィットした。J1湘南ベルマーレでプロ入りしたことを機に正式に契約。1、2年目は出場機会に恵まれず苦しむも、3年目にセンターバックにコンバートされたことをきっかけに才能が開花した。
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