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「自分が太ることを許さなかった」 宮原知子の意識を変えた疲労骨折、“太りたくない”自分との葛藤

アスリートの世界的な健康問題の一つに、REDs(スポーツにおける相対的エネルギー不足)がある。REDsとは身体活動に必要なエネルギー量が足りない状態が長期的に続き、心身に様々な健康障害を引き起こす症候群のこと。ケガの要因になったり、体の成長や運動パフォーマンスに悪影響を及ぼしたりする。

プロフィギュアスケーターとして活躍する宮原知子さん【写真:松橋晶子】
プロフィギュアスケーターとして活躍する宮原知子さん【写真:松橋晶子】

思春期の体重もストイックに管理、競技のために選んだ節制

 アスリートの世界的な健康問題の一つに、REDs(スポーツにおける相対的エネルギー不足)がある。REDsとは身体活動に必要なエネルギー量が足りない状態が長期的に続き、心身に様々な健康障害を引き起こす症候群のこと。ケガの要因になったり、体の成長や運動パフォーマンスに悪影響を及ぼしたりする。

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 現在、プロフィギュアスケーターとして活躍する宮原知子さんも、競技選手時代、自らを厳しく律し、体重コントロールをしていたという一人。疲労骨折を機に分かった問題とその後の取り組みについて聞いた。(取材・文=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

「私、自分が太ることを許さなかったんです」

 そう話すのは、プロフィギュアスケーターの宮原知子さんだ。4歳からフィギュアスケートを始めた宮原さんは15歳でシニアデビュー。以降、全日本選手権4連覇、冬季五輪平昌大会4位入賞など、トップスケーターとして輝かしい成績を残した。

「10代の頃、ちょっと体重が増えると、ジャンプの時に体に振り回される感じがしたり、重さで体が浮いてこなくなったりする感覚がありました。だからずっと、『体は軽いほうがいい』と考えていたんです。

 ジャンプが跳べないと『=スケートの調子が悪い=うまくできない』と、頭の中が悪い方向にどんどん繋がってしまう。中学・高校の頃は体つきがふっくらする時期があると思いますが、自分が思春期に体が重くなり、ジャンプができなくなることが、本当に嫌だったんです」

 聞けば驚くほどのストイックさで、思春期の体を「完璧に」コントロールしていた。「身長が2センチ高くなったら体重を2キロ増やしてもOK」というマイルールを作り、「今、148センチだから38キロくらいにしよう」「150センチになったから40キロくらいを維持しよう」という具合に、体重を刻みながら調整していたという。

「10代の頃は『この体重でないと跳べない』と思い込んでいたんですね。ですから試合が近づいてくると、本番の時の目標体重を設定し、そこから逆算して、体重を落としていました。でも、10代ですから、経験値があるなんて言えない年齢。試合時のベスト体重だって、今思うと完全に思い込みです」

 さらにシニアに上がると、プレッシャーやメンタルにかかる重圧が増加。ストイックさにも拍車がかかった。「ちゃんとやりたいから食べる」ではなく「節制する」。それが、10代の宮原さんが選択した方法だった。

「体が絞れてくると動きやすい、と感じていたので『ちゃんと滑りたいからちょっと食べる量を減らそう』というマインドでした。それにいつも元気だったし、パフォーマンスが落ちる感覚もなかったので、体を削って無理をしている感覚はまったくなかったんです。

 私、体力だけは昔から人よりあるというか。毎年、強化選手はJISS(国立スポーツ科学センター)で体力測定を行うのですが、結果を見ると瞬発力もスピードもないし、垂直跳びも全然、跳べなくて弱っちいんですね。でも、持久力、筋持久力、肺活量はずっと強かった。もしも『いつまで走れるか選手権』とかあったら、たぶん優勝です(笑)」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。人物インタビュー、ヘルスケア、ダイエット、トレーニングの分野を軸に、雑誌、書籍等で編集・執筆を行う。担当書籍に『すごい股関節』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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