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映画きっかけ「イエスマン化」で強豪1番が飛躍 食事当番も筋トレも「YES」どん底で救われた1本――桐光学園・黄泰崇

高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は22日、横浜スタジアムで準々決勝が行われ、桐光学園が9-6で日大藤沢に勝利した。リードオフマンの黄泰崇左翼手(3年)は3打数1安打2打点の活躍。昨秋に悲劇のサヨナラ負けを喫し、意気消沈。失意のどん底にいた自分を救ってくれたのは、とある名作映画だった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

日大藤沢戦でリードオフマンとして活躍した桐光学園・黄泰崇【写真:戸田湧大】
日大藤沢戦でリードオフマンとして活躍した桐光学園・黄泰崇【写真:戸田湧大】

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会

 高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は22日、横浜スタジアムで準々決勝が行われ、桐光学園が9-6で日大藤沢に勝利した。リードオフマンの黄泰崇左翼手(3年)は3打数1安打2打点の活躍。昨秋に悲劇のサヨナラ負けを喫し、意気消沈。失意のどん底にいた自分を救ってくれたのは、とある名作映画だった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

 リードオフマンとして役割を遂行した。

 四死球3つを含む、計4出塁。第3打席では2死二、三塁の場面で二遊間を破る2点適時打を放ち、チームに勢いをもたらした。「球種を絞って振り抜いて、結果センターラインに打球が飛んだので良かった」。4強入りに貢献し、安堵の笑みを浮かべた。

 昨秋の悔しすぎる敗北が、黄を一回り大きくした。

 秋季大会準々決勝の立花学園戦。8回に黄の3ランが飛び出すなど一挙8得点で逆転したものの、9回に2点差をひっくり返されて10-11。まさかのサヨナラ負けで甲子園の夢は絶たれた。「センバツ出場を狙っていたので、冬は引きずってしまった」。ショックは大きく、練習に身が入らない時期も短くなかった。

 立ち直るきっかけは名作コメディ映画だった。年末年始に寮から実家へ戻った時のこと。5歳上の兄・敬眞(けいしん)さんに「一緒に見ないか」と誘われ「イエスマン “YES”は人生のパスワード」を鑑賞。「NO」と後ろ向きな答えをしがちな主人公が、あらゆる質問に「YES」と答えることで、人生が劇的に好転していく姿に心奪われた。

「自分も秋はネガティブの方に(気持ちが)いっていたので。夏に甲子園へ行くために、冬にやるべきことが明確になった」

 鑑賞後、兄と入ったサウナで「やってみたら?」と勧められ、心に“リアルイエスマン”を宿した。気分次第で断ることもあった友達の誘いは、必ず受けるように。寮の食事当番を交代してほしいと依頼された時も、二つ返事で承諾した。やるか、やらないかでも「YES」を選び続けるのだから、筋トレも自然と厳しいメニューをこなすことになった。

 そんな生活が一冬を越え、実り始めた。春季大会からリードオフマンとして起用され、準決勝では王者・横浜相手に2安打2盗塁の躍動。惜しくも6-8で敗れたが、確かな成長を実感した。「イエス、イエスと言うことで気持ちが前のめりになる。バッターボックスでも相手に食らいつける」。今夏も「1番・左翼」として先制の起点を作るなど、常に前向きな姿勢が好パフォーマンスに現れている。

 次戦は24日に鎌倉学園と対戦する。黄は「秋、春と逆転負けという悔しい形で終わっているので、もう一度横浜高校と戦えるように。一戦一勝で目の前の相手に食らいついていきたい」と最大のライバルへのリベンジを誓う。憧れの聖地・甲子園行きの自信はあるか? 答えはもちろん「YES」だ。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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