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「フィジーより日本で挑戦を」「開花した姫野和樹の後継者」 2027年W杯を狙う次代のラグビー日本代表の原石5人を発掘

小村とのHBコンビを予感させる土永旭【写真:吉田宏】
小村とのHBコンビを予感させる土永旭【写真:吉田宏】

小村とのHBコンビを予感させる3拍子揃ったモダンな9番

 そんな小村と将来はHBコンビを組む可能性を強く感じさせるのが、SH土永旭(横浜キヤノンイーグルス)だ。エディーのHC復帰1シーズン目だった昨季のJTSから、次世代SHとして注目を浴びる選手だが、パススキル、高さのあるキック、そして仕掛けるラン能力と、まさに3拍子揃うモダンな9番として注目の存在だ。

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「超速ラグビーというテンポを上げるスタイルは自分も得意というか、結構好きなラグビーです。自分で持っていけるし、味方をトライまで繋げるという部分では、自分の得意なプレーも混ざっている。それに、(後方に)スペースがあれば、どんどん蹴っていいとはエディーさんからも言われているので、そこも自分に合っている」

 SO同様に、2027年へ向けた代表セレクションレースは昨季選出組との争いになる様相。フランスで来季もプレーすることが決まった齊藤直人を軸に、エディーが「リーグワンプレーオフで、素晴らしいパフォーマンスを見せた」と絶賛した藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、JTS組では昨季は怪我に泣いた福田健太(東京サントリーサンゴリアス)、トライ王に1差及ばなかった新人王・北村瞬太郎(静岡BR)らが、W杯ではおそらく3枠が設けられるだろう9番の座を争う。

 混戦気味のポジション争いの中で、俊敏さでは北村、藤原には一歩譲る土永だが、その滑らかなパスワークと、仕掛けるランの流れるようなプレーとスキル、そして和製SHでは長身の170cmというサイズも武器に、桜の9番争いに昨季よりギアを一段上げていく。ランと同時に、今や攻撃の起点と化している密集からのSHのキックでは、土永の左足も大きな魅力になる。

 最後に紹介するのは、これまで紹介してきた4人とは別の“括り”にもなる存在だ。JTSに参加するWTBメイン平(BR東京)は、すでに3シーズン前のウルグアイ戦でキャップ1を取得済み。“原石”というカテゴリーには疑問もあるかも知れないが、度重なる怪我で、何度も代表定着を逃してきた存在でもある。

「リーグワンでのパフォーマンス的に、あまり期待していなかった。自分の中では、ぎりぎりは入れた、選んでいただけたという感覚なので、そこからモノに出来るのはごく僅かだと思う。自分にとっては挑戦かなと思っています」

 新たな選出組と比べると若干控え目だが、アウトサイドCTBからFBまでをカバーするユーティリティーと、防御ラインのギャップを突くランには天性の感覚を匂わせる。「1対1のミーティングでは、エディーさんから求められたのは、基本的には足を早くしろ」と苦笑いするが、平が見せるシームレスにギアが上がっていくような、独特なしなやかな加速感が大きな魅力だ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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