聞こえなくても届く声援「力になった」 認知度向上へ、デフハンドボール日本代表の大きな夢
「デフハンドボール」のエキシビションマッチが19日、東京・墨田区のひがしんアリーナで行われた。今年11月に東京などで行われる聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」を目指す男子日本代表が、都立小岩高と20分ハーフで対戦。12-19で敗れたものの、初めての「大舞台」で貴重な経験をし、ハンドボールにも「デフ日本代表」があることをアピールした。

デフハンドボール
「デフハンドボール」のエキシビションマッチが19日、東京・墨田区のひがしんアリーナで行われた。今年11月に東京などで行われる聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」を目指す男子日本代表が、都立小岩高と20分ハーフで対戦。12-19で敗れたものの、初めての「大舞台」で貴重な経験をし、ハンドボールにも「デフ日本代表」があることをアピールした。
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「素晴らしい環境で試合ができて、すごく幸せでした」。辻井隆伸主将は興奮気味に言った。リーグHのジークスター東京対福井永平寺ブルーサンダーの「前座試合」。観客は数百人程度だったが、手話での「拍手」や「行け!」「大丈夫、勝つ」というサインエールは聞こえない選手にも届いた。「応援してもらえて、うれしかった。聞こえなくても、力になりました」と辻井は笑顔をみせた。
リーグH仕様の会場にも喜んだ。「電光掲示板があって、ゴールを決めて戻る時に見えた。得点が入ったのがわかって、うれしかった」と辻井。亀井良和監督は「デフリンピック本番を考えても、観客の前でプレーできたのは素晴らしい経験でした」と話した。
試合は関東大会出場を目指す都立小岩高に大敗。声でのコミュニケーションが重要になるチーム競技の場合、個人競技に比べて「聞こえない」「聞こえにくい」聴覚障がい者のハンデは大きい。試合中には公平性を保つために全員が補聴器を外してプレー。展開が速いハンドボールで、意思疎通を身振り手振りに頼るのは難しい。
もっとも、単純なミスも多かった。実は「ハンドボール経験者は4分の1くらいで、あとは初心者。『こんなものか』と思われた方も多いでしょうが、立ち上げから見ていた私としては、ずいぶん成長したと感じています」と亀井監督は振り返った。
今月2日、デフサッカーの男子日本代表が国立競技場でJFLのクリアソン新宿と試合をした。4000人近いファンを「聖地」に集めた歴史的試合で、元Jリーガーも多い強豪相手に善戦した。日本ろう者サッカー協会設立は1998年、認知度は低いが、長年の代表活動で成長し昨年のW杯では準優勝、デフリンピックでは金メダルを目指す。