県新記録→肉離れ2度で全国は幻 敢えて大学1年を丸ごと“休戦”の理由「振り出しに戻ったら…」――筑波大・浅井央真

「陸上が面白くない」 葛藤の果てに見つけた答え
進学後は1度だけ記録会に参加したものの、以降は試合に出場せず。ひたすら怪我をしない身体づくりに没頭した。
フォーム矯正に取り組むため、スキップの練習に週3日、1時間ほど時間を費やした。1キロのダンベルを両手で持ったり、メディシンボールを抱えたりしながら地道な補強を重ねる日々。ゴールが見えない1年間は、想像以上に辛かった。
「陸上がめちゃくちゃ面白くないって思いました(笑)。高校の同期は楽しそうな大学生活を送っていて。僕はバイトもできず、陸上もできず。(陸上を)辞めたくなりました」
休養期間を設ける決断はリスクも伴う。試合勘の低下や、孤立感と焦燥感に苛まれることもある。浅井も「大学3年生や4年生だったら、この決断はしていない」とした上で、持論を明かす。
「ランキングを見ていても、大学1年生はみんな少し遅くなりがち。高3よりも下がる傾向があって。そう考えればここで1年休んでも、試合を積んでいる人と大差ない。陸上人生の長さを考えて、何をやるべきか一度立ち止まって考えてみるのもいいかもしれない」
今大会は決勝進出を逃したが、まだ2年生。イタズラっぽく笑いながら、今後の大きな野望を口にする。
「200メートルって人気ないんですよ。100メートルの選手は同年代でも『サインください』とお願いされている。僕らはないので、そういったことが。強くなって人気になりたいです」
遠回りしたからこそ手に入れた確かな土台。筑波大のスピードスターはさらなる高みへ駆け抜ける。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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