物価高で自炊「最近のスーパー高いです(笑)」 特売情報を交換…15歳で親元離れた女子高生ランナーの3年間――仙台育英・黒田六花

運命の1500m決勝、フィニッシュ直後の第一声「もう誰にも…」
競技では、すぐに答えが出たわけではない。
中学時代は800、1500メートルが中心。高校では距離を伸ばし、長い距離に対応する練習に切り替えた。しかし、スピードは思うように出ない。かといって、長い距離を押し切る持久力も足りない。迷った。
「自分の強みってなんだろう」
インターハイは1年夏は予選敗退、2年夏は怪我を抱えながら11位。3年生になって変化を感じ始めた。「長い距離や駅伝での力が少しずつ見えて、自力もついてきた」。手応えを感じていたから、絶対に結果で示したい最後の夏だった。
大会1日目、女子1500メートル予選は余力を残して全体2位の4分23秒93で通過した。
「少しでも弱気になってしまうと隙が出て、後悔するレースになる。もう一切の弱気はなしで、最初から最後まで強気でいく」
その夜、家族のLINEグループで兄たちから「頑張れ」と励ましをもらった。「3年間の集大成、やるしかない」
翌日の決勝。「これまでのことを背負い込みすぎず、新しい扉を開くイメージで」。恩師の言葉を胸に、スタートラインに立った。
黒田は序盤、集団の5、6番手につけて追走する。ペースが上がるラスト1周。いざ、勝負。ところが、ここで内に包まれた。「前に行けない」。進路がない。隊列がばらけ始めると、懸命にスパート。残り200メートルで村井和果(薫英女学院3年)が抜け出した。
黒田も4番手、3番手と順位を上げる。最後の直線、ついに2番手へ。
前を追った。
差は0秒48。
届かなかった。
4分24秒10で2位。フィニッシュ直後、息を切らしながら口を開いた黒田の視線は、冬にあった。
「もう誰にも1位を取らせないように、今度は(冬の)駅伝で、今年こそ絶対に優勝しようって、ゴールした瞬間に思いました」
3年間で予選敗退から全国2位まで上がった。「成長した結果だとは思う。ただ、そこで勝ち切れなかった。中学で日本一を取っている身。1位になる難しさも達成感も分かっている。その中で2番は悔しさが大きい」と満足感はない。
こうして最後のインターハイは幕を下ろした。
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