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パーソナルジムがこの1年間で人気上昇の理由 「長続きするジム」の選び方とは

最近、増えているのは「ハイブリッド式」

 一般的な総合フィットネスクラブや24時間ジムに共通する利点は、月数千円から1万円程度で、何回でも利用できることです。ところが多くの方は、例えば有酸素運動や筋トレの順番、重さやセット数の設定など、自分の体調や体形、目的に合ったトレーニング法がわからない。結局、自己流ではトレーニングの成果を感じられず、モチベーションも下がり、だんだん、通わなくなってしまいます。

 ならば、安価でも効果が得られないより、お金を出してでも専門家に任せて取り組むほうがいい。こういった考え方が、ジム通いが続かなかった方たちの間で広がっているようです。

 さらに、今はカスタマイズの時代。カフェ・ラテひとつとっても、エスプレッソのショット数や、ローファット、ノンファットのミルクを選べるなど、カスタマイズをするのは当たり前です。そういった感覚がトレーニング界にも波及し、「カスタマイズされたメニューが欲しい」というニーズが高まることに、つながっているのでしょう。

 とはいえ、「効果は期待できそうだけど、高すぎるから無理」と感じ、パーソナルトレーニングを諦める方は多いと思います。しかし、必ずしも頻繁に……例えば週1ペースなどで、パーソナルトレーニングを行う必要はありません。最近、増えているのは、パーソナルトレーナーとフィットネスジムを併用する「ハイブリッド式」です。

 ハイブリッド式とは、時々パーソナルトレーナーにトレーニングをみてもらったり、メニューを作成してもらい、普段は自分自身で、通いやすいジムに行って、メニューを実施するスタイルです。

 私のクライアントにも、普段は地元のジムに通い、月1回私の元でトレーニングをされる地方住まいの方や、2、3か月に1回のペースで、トレーニングを受けてメニューの見直しをする高校生がいます。また、フィジークなどのボディコンテストに出場する方にも、厳しいトレーニングで自分を追い込みたいときだけパーソナルトレーニングをお願いする、という方はいます。以上のように、パーソナルトレーニングを受けるペースやお願いする内容は様々。今は誰でも、自分に合った使い方ができるのです。

 ただ、パーソナルトレーナーの立場から言うと、最初の1か月だけは週1のペースで通っていただくと、よりカスタマイズされたメニューが立てやすくなります。

 やはり、初めてお会いした方に対し、1回のセッションだけで最適なメニューを作成することは、非常に難しい。結局は、雑誌でよく見るようなまずまず外さないオーソドックスな種目の組み合わせ、もしくは、「結果が出るかは一か八かだが、やってみよう」というメニューになり、パーソナルトレーニングの良さを生かしきれません。また、どのようなフォームで動作するのか、どの程度の負荷をかけると体がどのように反応するのかの確認ができないまま、しばらく放ったらかしになるので、トレーナーとしても非常に不安になります。

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中野ジェームズ修一

スポーツトレーナー

1971年、長野県生まれ。フィジカルトレーナー。米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球・福原愛、バドミントン・藤井瑞希らの現役時代を支えたほか、プロランナー神野大地、トランポリン競技選手など、多くのトップアスリートから信頼を集める。2014年以降、青山学院大駅伝チームのフィジカル強化指導を担当。東京・神楽坂に自身が技術責任者を務める会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」がある。主な著書に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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