陸上界に現れたスーパー17歳の横顔 後藤大樹“高校生初V”の裏にあった「特上ウナギ出世払い」【陸上日本選手権】
今秋の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日が14日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた。男子400メートル障害の後藤大樹(洛南高2年)が日本歴代4位の48秒09で初優勝し、アジア大会代表に内定した。96年為末大の高校記録を0秒78も上回った予選の48秒31を、さらに0秒22更新。2日続けて高校新だけでなく、U20(20歳未満)日本新、U18(18歳未満)世界最高記録の超快走を見せた。

男子400メートル障害決勝
今秋の名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権最終日が14日、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで行われた。男子400メートル障害の後藤大樹(洛南高2年)が日本歴代4位の48秒09で初優勝し、アジア大会代表に内定した。96年為末大の高校記録を0秒78も上回った予選の48秒31を、さらに0秒22更新。2日続けて高校新だけでなく、U20(20歳未満)日本新、U18(18歳未満)世界最高記録の超快走を見せた。
昨日の自分を簡単に超えていった。丸刈りの高校2年生が圧倒的な強さで勝ち切った。「高校生らしくフレッシュに」と心は熱く走りつつ、頭は冷静だった。無理に飛ばさず、負ける気がしない最後のスプリント勝負に余力を残した。コーナーを曲がり終えると、先頭を走る東京五輪代表・黒川を捉える。そこからは1人旅。2位黒川にも0秒75差でぶっちぎった。
どよめく会場の中、後藤自身も高揚していた。「予選から引き続き、自分でも信じられない。テレビで見ていた舞台で、本当に自分が優勝したのか?」と実感がわかなかった。
予選でマークした48秒31は、為末大の高校記録を30年ぶりに更新するだけでなく、U20日本新、U18世界最高記録だった。その衝撃の快走からわずか1日。偉大なタイムを、簡単に過去のものに塗り替えた。
ウナギの“借り”が自分を超えるエネルギーとなった。予選後の夕食。洛南の柴田監督から「何を食べたい?」と尋ねられ、「ウナギが食べたいです」。ここぞとばかりにおねだりで「特上のウナギ」をおごってもらった。重箱のふたを開けると、香ばしいタレの香りが広がり、肉厚な身が口の中でとろけた。すると、高校陸上界の名将からは「出世払いな」と告げられた。達成感の中で、背筋が伸びた。「(決勝も)結果を出さないといけない」と気持ちを入れ直した。
記録だけでなく、勝負を制したのも大きな偉業だった。日本選手権で同種目が導入されたのは1928年。1947年の教育制度改革に伴い、現在の高校制度となってからは、初の「高校生チャンピオン」となった。(46年大会で京都師範学校・村山治実が優勝)。直近5年は大学生が優勝(21、22年法大・黒川、23年、25年東洋大・小川、24年慶大・豊田)している種目だったが、高校生には高いハードルがあった。それを軽々と飛び越えた。
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