アマ49戦無敗、18歳が2回TKOの鮮烈プロデビュー 井上尚弥と同門の逸材・藤木勇我の素顔 父「昔はよく泣いていた」

父が明かす藤木の幼少期「よく泣いていた」
華々しい初陣を、家族が会場で見守っていた。父・直樹さんは「デビュー戦の割にはまあまあですね。合格点。60点くらいです。メインにさせていただいて、期待してくれている人たちもいますので。僕としては1ラウンドからひっくり返してほしかった」と息子の活躍に目を細めた。兄・勇利さんは「怪我をせずに勝てたことが一番良かったです」。母・亜矢さんは「緊張している中で楽しそうでした。200人以上の方が応援に来てくださって、パワーをもらっていました」と感謝した。
藤木は2007年12月25日、大阪市生まれの18歳。小学1年の頃から2つ上の兄・勇利さんとともにボクシングを始めた。元プロボクサーの父・直樹さんがきっかけ。大阪の興国高で選抜、総体、国体と全国大会に6度出場し制覇。23年アジア・ジュニア、24年のU-19世界選手権で金メダルを獲得し、アマ9冠を達成。アマ戦績は49勝(33RSC)無敗で、今年4月にプロテストに合格した。
プロデビューに先立ち、ついた愛称は「THE KING」。直樹さんは「最初は『ほんまにええの?』という感じでした。でもいずれ相応しいものになってほしい」と期待した。
直樹さんによると、藤木の運動能力は群を抜いていた。「運動会の徒競走はずっと1位。体操教室にも通っていたのですが、先生に教えてもらったことはすぐにできました。側転とかね。バク転は危なくてやらせませんでしたけど、バネがすごかったのでできたと思います」。
サッカーも経験したが夢中になったのはリングの世界。「ボクシングマニアでボクシングしか知らない子でした」。続けて「昔はよく泣いていたんですよ」と告白。現在の冷静な試合運びや、鬼気迫る迫力からは想像できない驚きの幼少期を明かす。
「スパーリングでも上手くいかないとよく泣いていた。なんせ悔しくてね。ジムの先輩が試合で負けても泣いていました」
藤木がデビューを飾ったこの日、小学生時代に対戦経験がある中山聖也(大橋)が公開プロテストを受験。即日合格した。当時は藤木が敗戦したが、中学生でリベンジを果たした。直樹さんは「聖也選手に負けて泣いたのが最後ですね」。藤木は悔し涙を成長に繋げていた。
試合後、藤木は集まった応援団一人ひとり丁寧に、記念撮影やサインを行った。最後に記者が家族の写真をお願いすると快く応じてくれた。その後「こいつと2人でもお願いします」と、藤木は兄・勇利さんと肩を並べて笑顔を見せた。幼い時から切磋琢磨してきた兄弟の絆が垣間見えた。家族や仲間の期待を背負い、世界王者への挑戦がここから始まる。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)
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