陸上日本選手権

　9月に東京・国立競技場で開催される陸上・世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権は5日、同会場で第2日が行われた。女子400メートル決勝で、21歳のフロレス・アリエ（日体大）は53秒31の3位だった。6月に日本国籍を取得しており、名字が「青木」になると明かした。

　横一線で最後の直線に入り、フロレスは最後の力を振り絞るも寺本、53秒20で2着の中尾柚希（園田学園大）には及ばず3位だった。レース後の取材では「自分も中では調整できてない中、53秒前半で3位に入れたのは良かった」と語った。

　フロレスは5月の静岡国際で51秒75の日本記録よりも速い51秒71をマーク。当時はペルー国籍だったため、日本記録とはならなかった。6月に日本国籍を取得。日本選手権への出場が可能になった。

　調整は順調ではなかった。6月上旬の日本学生対校選手権の練習中に他の選手と激突し、右手人さし指の骨にヒビが入るアクシデント。今大会前にも体調を崩していた。「風邪や骨折もあって、メンタルに余裕もなくていつもよりメンタルがやられていた」と振り返った。

　日本選手権リレーの後、名字は「青木」になるという。「青木アリエで。家族の名字から取ってということで。姉が帰化していて『青木』なので。父のご家族に『青木』がついていたので」と説明した。

　世界選手権の参加標準記録は50秒75で容易にはクリアできない。自己ベスト51秒71は日本勢最速だが、参加資格の基準となる世界陸連のランク「Road to Tokyo」では、松本奈菜子が日本人最上位で出場圏内につけており、フロレスの個人種目での代表入りは厳しい状況だ。

　ただ、男女混合4×400メートルリレーは種目としての日本陸連の派遣基準を満たしている。フロレスはリレー候補競技者基準記録（52秒30）をクリア済みで、リレーでの代表入りは有力とみられる。