NTTドコモ presents Lemino BOXING

　ボクシングの大橋ジムは25日、神奈川・横浜市内で会見し、6月19日に東京・大田区総合体育館でWBO世界ウェルター級2位・佐々木尽（八王子中屋）が王者ブライアン・ノーマンJr.（米国）に挑戦することを発表した。佐々木は世界初挑戦で日本人初の同級世界王座奪取を宣言した。興行はNTTドコモの映像配信プラットフォーム「Leminoプレミアム」で有料生配信。戦績は23歳の佐々木が19勝（17KO）1敗1分、24歳のノーマンJr.が27勝（21KO）2無効試合。

　世界的に猛者の多い激戦階級に風穴を空ける。「日本の歴史を変えるために生まれてきました、佐々木尽です。こんな素晴らしい試合を決めてくださって夢のよう。皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです」。会見で緊張の面持ちながら豪快な挨拶。型破りなキャラクター全開で意気込んだ。

「相手はスピード、パワーなど全てが揃っている。人間を辞めているのかなと。“ノーマン”だけに。今回は宇宙人対決。ラスベガス合宿の間にこの記者会見の夢を10回くらい見た。試合も何回も夢の中でやっている。それくらいの想いを込めた試合です。皆さんも学校、仕事とかで忙しいと思うけど、サボってでも、仮病を使ってでもいいので大田区総合体育館に来てほしい。

　言葉は悪いけど、負けたら死ぬくらいの覚悟。ボクシングだけしかしてこなかったし、こんなチャンスはもうないのでものにしたい。本当に人生全てを懸けています」

　夢の中の試合は王者が先に入場。洋楽に乗り「段々と目が怪物みたいに赤くなった」と進化した。初回に先制ダウンを奪われたが、2回に倒し返したという。「盛り上がって起きました。冷や汗だらけでしたね」と報道陣を笑わせた。

　ミニマム級からミドル級までの13階級では、過去に日本人世界王者がいない唯一の階級。制限体重66.6キロで欧米人の体格に適しており、海外ではシュガー・レイ・レナード、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオなど数々の歴史的スターがいた。過去には辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹が挑戦したが、いずれも敗戦。佐々木で日本人5人目の挑戦となる。

　日本で同級の世界戦開催は1989年12月の尾崎以来36年ぶり。興行主の大橋ジム・大橋秀行会長は「勝つのはもちろん、挑戦すら難しい階級です。ノーマンJr.選手は全団体の王者で一番若い。佐々木選手と若い力同士がぶつかる。初回から目が離せない試合になります」と話した。