井上尚弥が米国で公開練習

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が23日（日本時間24日）、米ロサンゼルスで練習を公開した。5月4日（同5日）にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位ラモン・カルデナス（米国）と防衛戦を予定。集まった米記者から「24日前の言動」の真意を問われると、周囲を納得させる粋な返しを披露した。

　王者の風格が漂った。井上の米上陸を待ち受けた多くの報道陣。そこで飛び出した質問は意外なものだった。「表彰式で、ジュント・ナカタニに来年のスーパーファイトを宣言したのはなぜ？」。3月31日に都内で行われたボクシングの2024年度年間優秀選手表彰式で、井上がWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）に1年後の対戦を呼びかけたサプライズ発言は、海を越えて米記者の間にも広まっていた。

　この質問に井上は「まずは、みなさんに見たいか聞いてください」と通訳に一言。伝え聞いた記者たちは一斉に「オッホォー！　イエス！」「もちろん」などと“食い気味”に反応した。これを見た井上は「だからですよ」とクールに回答。この言葉にも記者たちからは「ハハハハハ」と納得の笑い声が漏れた。

　この質問をしたのは全米ボクシング記者協会のメンバーのアブラハム・ゴンザレス氏。自身のXに「スーパーバンタム級4団体統一王者のナオヤ・イノウエに、なぜ表彰式でジュント・ナカタニに宣戦布告したのか尋ねた」とつづって、井上とのやり取りの動画を公開した。これには米ファンからも「これは素晴らしい質問だし、さらに素晴らしい答えだった!!!」「最高の質問と、最高の回答」「彼は試合にリスペクトを持っている」といった感嘆の声が上がっている。