川内優輝が130回目のマラソンで魂の大逃げに出た理由「会う人会う人に…煽られた感じ(笑)」
陸上の2024年パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が15日、東京・国立競技場発着で行われた。男女とも上位2人が代表権を獲得(3位は選考対象選手に)。小山直城が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁が2時間9分6秒の2位でともに代表に内定した。大迫傑が2時間9分11秒で3位。4位に入った36歳・川内優輝は魂の大逃げに打って出た理由を“川内節”で激白した。
マラソングランドチャンピオンシップ
陸上の2024年パリ五輪マラソン日本代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が15日、東京・国立競技場発着で行われた。男女とも上位2人が代表権を獲得(3位は選考対象選手に)。小山直城が2時間8分57秒で優勝、赤崎暁が2時間9分6秒の2位でともに代表に内定した。大迫傑が2時間9分11秒で3位。4位に入った36歳・川内優輝は魂の大逃げに打って出た理由を“川内節”で激白した。
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「今日はもう悔いがないです。自分の力を出し切って結果的には上の3人に負けたので、そこはもうしょうがないと思います」
土砂降りの42.195キロで風を切り続けた川内がさわやかに笑った。通算130回目のマラソンで号砲からいきなり飛び出した。ハイペースを刻み、独走態勢でレースを展開。35キロで追いつかれたが、以降も集団で粘って4位でゴールした。36歳、魂の大逃げだった。
その理由について「ただ集団の中で、見えない位置で『川内走ってたのかな、走ってないのかな』というのはつまらない。しっかりといい見せ場というか自分の得意の走りをしたいなと思っていました」と打ち明け、そして「本当に楽しかったです」とレースを振り返った。
「ここ最近ついていって落ちていくレースとか、そんなことばっかりだったけど、『とんでもない』って。海外ではボストンマラソンで最初からぶっ飛ばした。そういうレースを長らくやってなかったので、このMGCという舞台で『お、川内頑張ってるじゃん。36歳やってるじゃん』という走りが見せられてよかったです」
さらに「漫画の中の主人公みたいな気持ちで、先頭突っ走ってましたから。昨日までずっとマラソン漫画の『奈緒子』を読んで、突っ走るシーンを読んでたんで。ああ、おんなじだと思いながら走っていました」とも話し、「飛び出すつもりはなかったんですけど、会う人会う人、コーチも選手も『川内君、今日の天気だったら飛び出すんでしょ』というので、じゃあ飛び出してやろうじゃないかと。煽られた感じですね」と笑った。
もちろん、それができるのは過去に積み重ねてきたキャリアがあってこそ。
「他の選手はきっと怖かったと思う。選手権レースでペースメーカーもいない、雨も降ってる、風も強い。そんな中で、周りの選手が勇気を持てない中で勇気を持つというのが選手権レースだと思うので。そういった意味では、過去129回のマラソンというのが有利に働いたかと思います」
ただ、若手に愛のムチも打つ。「半分ぐらいは勇気がなくて私についていくのが怖かったんだと思いますし、もう半分くらいは舐めていたんですよ」と言う。
「あんなロートルみたいな選手はどうせ落ちていくだろうと。そこは『舐めんなよ!』という感じはありましたよね。だって私がああやって逃げ切ったレースもいっぱいあるんですから。『そんなに逃がしちゃっていいの?』って。(差が)途中40秒ついたときに『40秒ついたら、本当に地力がないと追いつけないぞ』と思っていたら、ほんとに上位の数人しか追いつけなかったので」
その上で「若い選手はもっと勇気を持って頑張ってほしいなと思いましたし、海外にどんどん出て、経験を積んでほしいなと思います」と語った川内。自身の36歳の年齢について問われると「ただの数字だと思って走りたいなと思います」と言い、その目に闘志を宿した。
(THE ANSWER編集部)