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「あー!」 “幻の日本記録”に会場悲鳴、走り幅跳び女王・秦澄美鈴の攻めの跳躍「悔しいです」

陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が21日、神奈川・日産スタジアムで行われ、女子走り幅跳びの秦澄美鈴(シバタ工業)は6メートル48(追い風0.7メートル)の4位だった。大歓声を受けた日本記録ラインのジャンプが惜しくもファウルに。17年ぶりの快挙が“幻”に消え、「悔しいです」「攻める心構えを忘れずにいきたい」と振り返った。

跳躍後、悔しそうに苦笑いする秦澄美鈴【写真:奥井隆史】
跳躍後、悔しそうに苦笑いする秦澄美鈴【写真:奥井隆史】

セイコーGGP

 陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が21日、神奈川・日産スタジアムで行われ、女子走り幅跳びの秦澄美鈴(シバタ工業)は6メートル48(追い風0.7メートル)の4位だった。大歓声を受けた日本記録ラインのジャンプが惜しくもファウルに。17年ぶりの快挙が“幻”に消え、「悔しいです」「攻める心構えを忘れずにいきたい」と振り返った。

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 秦は最後までトライした。5本のうちファウル3回で迎えた最終6本目。華麗に宙を舞い、飛び込んだラインは日本記録辺りだった。会場からはどよめきまじりの歓声。しかし、直後にファウルランプが点灯し、「あー!」と悲鳴とため息がこだました。2006年池田久美子の日本記録6メートル86を更新したかにも思えた跳躍。本人も悔しそうに苦笑いした。

「今日の跳躍は内容は悪くない。ファウルで結果に繋げられず悔しいです。ギリギリを狙おうとかではなく、今日はどれだけ(助走距離を)後ろに下げてもファウルが続く試合。そこで合わせられなかった。(助走距離は)60センチくらい下がって、途中70センチの時も。6本目は、1本目から60センチ下げました。踏み切りの入りをもう少しキレのよくできるように意識して調整したい」

 大阪・八尾市出身で、身長169センチの27歳。16歳から陸上を始め、昨年の日本選手権で2年連続3度目の優勝を果たした。ワールドランキングで出場権を手にした昨年オレゴン世界陸上は、予選敗退で悔し涙。それでも、昨秋には6メートル67の自己ベストをマークした。さらに今年5月3日の静岡国際は6メートル75(追い風2.0メートル)で優勝。再び自己ベストで確かな成長を見せた。

「今日は飛んだ!っていう感覚はあった。静岡国際の6メートル75センチより飛んだ感触はありました。今年は大きな助走をテーマにして、足を回しすぎない助走を心がけています。最後の一歩でテンポアップしきれていない。(課題を)外から言われると意識できている。そこを合わせられなかったので、助走距離を考えないといけない」

 ブダペスト世界陸上の参加標準記録6メートル85。今年はワールドランキングではなく、しっかりと記録をつくって出場権を得たいところだ。

「ファウルの後、今日の2本目はビビってしまった。いい記録を残すぞという反面、ファウルしたくない気持ちがあって。“ビビり跳躍”でした。でも、6本目はファウルだったけど、攻められました。そういう心構えを忘れずにいきたい」

 2週間後に迫った日本選手権。不滅になりつつあるレコード更新へ、一気に飛んでいく。

(THE ANSWER編集部)


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