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「カルシウムを摂れば大丈夫」は本当? アスリートの疲労骨折を防ぐ食事のポイント

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「疲労骨折を防ぐ食事のポイント」について。

疲労骨折を防ぐ食事のポイントとは
疲労骨折を防ぐ食事のポイントとは

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「疲労骨折を防ぐ食事のポイント」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「疲労骨折を防ぐ食事のポイント」について。

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 トップアスリートにとって疲労骨折の予防は、長期間にわたる競技からの離脱を防ぐだけでなく、食事や睡眠、無月経など多くのコンディション因子と深く関わっているため、常に課題となっています。

 選手たちは骨折をすると皆、「食事はカルシウムを摂れば大丈夫ですよね?」と聞きに来ます。確かにカルシウムは骨の主成分となる栄養素の一つです。しかし、疲労骨折の予防・再発防止に最優先すべきは、カルシウムの摂取だけではありません。

 結論から言うと、骨折の予防・再発防止の食事に大切なのは、「運動による消費量に見合ったエネルギー量の摂取」と「骨の材料になる栄養素をしっかり摂る」ことです。特に、運動量の多い学生アスリートや運動愛好家、また、減量などをしている人は、摂取エネルギーや骨の材料になる栄養素が不足して、疲労骨折につながりやすくなるので注意が必要です。

 早速、食事でできる骨折予防、そしてリハビリ中のポイントをみていきましょう

<1>運動による消費量に見合ったエネルギー量を摂取する

 最も大事なことは、疲労骨折の予防・リハビリ期を問わず、日々、適正なエネルギー量を摂ることです。

 摂取エネルギーと骨との間には、関連性がないように思われますが、実は骨の材料となるコラーゲンなどのたんぱく質と関係します。

 骨折をすると運動量がガクンと減るため、アスリートはどうしても「体重や体脂肪を増やしたくない」と極端に食事量を減らそうとします。摂取エネルギー量が不足すると、必要なエネルギーを作り出すために筋肉を分解。すると、骨の材料となるたんぱく質が不足しやすくなります。特に女性アスリートは競技や種目により、体脂肪を気にして普段から食事の量を控える傾向がみられます。エネルギー不足は、丈夫な骨を保つために重要な女性ホルモン分泌に影響。骨密度の低下、疲労骨折を発症しやすいことが分かっています。

 参考までに、アメリカスポーツ医学会では、「(総エネルギー摂取量(kcal)-運動によるエネルギー消費量(kcal))÷徐脂肪量(kg)」の値が1日あたり30kcal/kg未満になるとエネルギー不足と定義しています。健康な骨作り、そして骨折からのスムーズな回復のために、日々、消費する量に見合ったエネルギーを、食事からしっかり摂りましょう。

<2>たんぱく質をしっかり摂る

 骨の主な材料は、カルシウムとコラーゲン(たんぱく質)です。しかも土台となるのはたんぱく質。ですから、まずはたんぱく質をいかに摂るかを考えます。

 また、骨は絶えず骨代謝(古い骨を壊し、新しい骨を作る)を繰り返し、丈夫な骨を維持します。リハビリ中は筋肉への刺激が少なく筋量が減少しやすいため、いつも以上に意識して、肉や魚などのたんぱく質を不足なく摂取することが大切です。

 ポイントは、食品の選び方です。当然、運動量が減っているので、いつも以上に低脂肪の食事を徹底。具体的に挙げると、鶏肉はささみやむね肉、豚肉や牛肉はヒレ肉やもも肉を中心に。魚介類はたらなどの白身魚ほか、いか、えびといった甲殻類、まぐろであれば赤身を選びます。

 そして大豆製品の納豆や豆腐に含まれるイソフラボンという成分には、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ働きがあるため、肉や魚と同様、積極的にとることをお勧めします。

 低脂肪を心掛ける際、調理方法も工夫を。揚げ物・炒め物は避けて、茹でる、あぶる、煮る、蒸すなどで、栄養のあるものをいかに脂質を抑えて摂るかを考えます。どうしても油を使いたいときは、テフロン加工のフライパンに少量の油をひいて調理しましょう。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビートップリーグ・パナソニック ワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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