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「カルシウムを摂れば大丈夫」は本当? アスリートの疲労骨折を防ぐ食事のポイント

カルシウムは「何を食べると効率よく摂取できるか」が食品を選ぶポイント

<3>カルシウムを効率的に摂る

 3つ目のポイントは、カルシウムです。

 平成30年の国民健康・栄養調査によると、18~29歳の一般男女のカルシウム摂取量は、1日の推奨量の約6割しか摂れていません。

 カルシウムの摂取が難しいのは、体への吸収率が非常に悪いためです。吸収率がよいといわれる牛乳・乳製品でさえ40%、小魚で30%、青菜で20%程度。特にアスリートや運動愛好家は毎日、意識して摂らないと、疲労骨折の予防につながりません。

 カルシウムは「何を食べると効率よく摂取できるか」が食品を選ぶポイントです。

 まずは吸収率が最も高い、チーズやヨーグルトといった牛乳・乳製品を。そして、カルシウムの吸収をよくするビタミンDが同時に含まれる魚を摂りましょう。魚はしらす干し、サクラエビ、丸干しイワシといった、丸ごと食べられる小魚が特におすすめ。イワシ、小あじ、めひかりといった骨ごと食べられる季節の魚もよいでしょう。

 缶詰の魚も便利です。おなじみのいわしやサバの水煮缶に並ぶおすすめは、骨ごと食べられる鮭の中骨。これをご飯にのせて、丼飯にするだけでOKですし、塩もみしたきゅうりと和えたり、炒飯にしたりするのもおいしい。サバやイワシの水煮缶よりも安価で、カルシウムの量も約2~3倍も摂れます。

 吸収率は劣るものの、1日1回は摂りたいのが大豆製品や野菜です。

 大豆製品はたんぱく質だけでなくカルシウム、そしてカルシウムを骨に沈着させるために必要なビタミンKを含みます。高野豆腐、納豆、木綿豆腐を、副菜や汁物で、毎日摂るとよいでしょう。

 野菜では小松菜と青梗菜が優秀。吸収率は低いのですが、ひじきとわかめといった海藻類にも含まれます。毎日、コツコツ、食べる習慣をつけてくださいね。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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