[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

日本代表に「ヒロセのような存在が必要だ」 W杯から再出発、世界のラグビーから読み解く今の潮流――エディー・ジョーンズ独占インタビュー

ラグビー日本代表に復帰したエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の独占インタビュー。第2回は、実際の代表強化をどう進めていくかというテーマに入っていく。代表メンバー選考で指揮官が選手に求めるものは何か。どのようなアプローチで代表強化を推進するのか。新主将は誰か。そしてポスト2023年ワールドカップ(W杯)の世界の潮流をどう読み取るのか。エディーの言葉から、新生ジャパンの挑戦が見えてくる。(全3回の第2回、取材・文=吉田 宏)

独占インタビューに応じたエディー・ジョーンズHC、チームに求めるリーダー像とは【写真:矢口亨】
独占インタビューに応じたエディー・ジョーンズHC、チームに求めるリーダー像とは【写真:矢口亨】

エディー・ジョーンズHC独占インタビュー第2回

 ラグビー日本代表に復帰したエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の独占インタビュー。第2回は、実際の代表強化をどう進めていくかというテーマに入っていく。代表メンバー選考で指揮官が選手に求めるものは何か。どのようなアプローチで代表強化を推進するのか。新主将は誰か。そしてポスト2023年ワールドカップ(W杯)の世界の潮流をどう読み取るのか。エディーの言葉から、新生ジャパンの挑戦が見えてくる。(全3回の第2回、取材・文=吉田 宏)

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 昨秋のW杯で日本代表は、プール戦2勝2敗で決勝トーナメント進出に失敗している。2019年には初めてベスト8進出を果たし、次は前回を超える4強以上をターゲットに掲げたが、目指す頂には程遠い成績に終わった。

 立て直しを図る中で、23年W杯で平均年齢28歳を超えたチームの若返りは大きな課題になる。福岡合宿にも19歳の石橋チューカ(京都産業大1年)、22歳の伊藤耕太郎(明治大4年)ら学生を9人呼ぶなど新生日本代表の顔ぶれが注目される中で、エディー自身はユニークな視点で選手選考を捉えている。

「福岡合宿に参加した選手には2月14日にリポートを送りました。これからどうすればいいのかという改善策が書いてあります。代表に選ばれるためには、どれだけハードワークしたか否かにかかっています。代表のセレクションのいいところは、実は選手たちが自分で選ばれるのだということです。リーグワンで素晴らしいプレーを見せた選手でなければ代表に呼ばれるのは難しい。大学生でも、もしU20(日本代表)に選ばれていないのなら、大学でどれだけハードワークして、自分をいいコンディションに持っていけるかにかかっています」

 今回の合宿メンバーも不参加の選手でも、6月の合宿へ向けて視察を続けるエディーがメンバーに選びたくなるようなプレーを見せることが出来るかが勝負なのだ。代表候補選考の“回答”は選手自身が出す。これが、エディーから代表入りをめざす全ての選手へ向けたメッセージと受け取るべきだろう。

 2027年を見据えて若手選手の発掘、育成にもフォーカスを当てるエディーだが、強化のカレンダーの中では、あまり急がずに段階を踏んでいく。

「若い選手の育成という面では4年間という時間がある。最初の段階は、シニアの選手たちをキープする必要がある。同時に若い選手を育てながら、W杯が近づいてきた段階での選手たちのパフォーマンス次第ではあるが、2つのW杯スコッドを育成していくイメージを今は持っています。2015年のW杯のメンバーのうち10人の選手が19年のW杯に出ています。3分の1の選手がローテーションで入れれば、経験値のある選手がいる状況を常に保てる。23年大会は、おそらくそこが難しかったと思う。(パンデミックで)1年間ラグビーが失われたし、若い選手の育成が出来なかった。そのようなプロセスを加速する必要がある。だから福岡で9人の大学生を呼んだのです」

 若手への期待と同時に、新体制のスタートというタイミングでの経験値の高い選手の存在も重視している。

「4、5人の経験値のある選手は必ず必要になってきます。能力のある素晴らしい若手のお手本になる選手です。彼らが若い選手にとって太陽の陽射しのような役割になるのです」

1 2 3

吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集