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引退して気付いたテニス選手の真の価値 元プロが提案する新しい「コーチ」の形とは

引退後に気付いた新たな自分「自分中心が当たり前だったけど…」

 6歳でテニスと出会った藤岡さんは、8歳から選手育成コースでトップを目指し、ジュニア時代には国内大会で常に上位を争った。18歳から海外に拠点を移してワールドツアーを転戦。20歳でプロに転向すると4大会で準優勝を飾るなどしたが、25歳で現役引退。29歳になる現在はテニススクールを運営しながら、2歳になる娘の母、主婦、コーチと幅広い分野で活躍する。

 A-MAPへの参加を決めたのは、自分が持つ可能性と価値に対する疑問がきっかけだったという。

「8歳からテニスの道を極めてはきたけれど、引退した後にできることがコーチという選択肢しかなくて、そこに疑問がありました。自分がトップを目指した経験は、もっと広い視野で社会に役立てることができるんじゃないか。自分の可能性をどこかで信じていたものの、何をやっていいか分からないところでA-MAPと出会い、学びをスタートしました」

 個人が基本となるテニス界は「自分が主役じゃないと成り立たない世界。良くも悪くもワガママで、自分にスポットライトが当たるのが好きだと思っていました」という。だが、A-MAPで自己認識の講座を受けてみると、それまで気付かなかった自分の意外な側面が見えた。

「人のために何かをしたり、人のサポートをしたりすることで、私の良さや正義感みたいなものが発揮されるんだと気付きました。ずっと個人競技で自分中心の世界が当たり前だったけれど、人の役に立てるんだと思えたことがすごく嬉しかったですし、社会貢献の方法を考える中で大きな発見でした」

 プロテニス選手と聞くと、飛行機はファーストクラスで世界を転戦し、一流ホテルに滞在しながら競技生活を送る華やかなイメージを持つ人は多いだろう。だが、それはほんの一握り。プロと言えどほとんどの選手は安いホテルに泊まるなど遠征費を切り詰め、ようやく掴んだスポンサー契約を解除されないよう必死に勝利を目指す日々。優勝し続けない限り毎週のように敗北と直面し、孤独感を深めていくことが多いという。

 藤岡さん自身、試合で勝つことでしか自分の価値を見出せず、孤独を感じるのは自分のメンタルが弱いからだと疑わず、その精神状態を抱えきれずに引退を決意した。「頑張ったけれど、自信をなくした状態で辞めていたので、A-MAPの中で『自分でも人の役に立てるんだ』と思えたことは大きな気付きでした」と話す。

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