空港地上職→26歳でプロデビュー、韓国へ 別れに涙「心揺さぶられ…」実感する“遠回り”の価値――バスケ・砂川夏輝

衰えない挑戦心と、地元への思い
WKBL2年目もアジア枠でドラフト指名を勝ち取り、BNKサムでプレーした。ただ、ウリ銀行とは異なる戦い方で、代表クラスのPGもいる中でプレータイムが大幅に減少。チームはレギュラーシーズン5位でプレーオフ進出を逃し、不完全燃焼に終わった。
それでも、この2シーズンを通して改めて実感を強めたことがある。「那覇空港で働いていた頃の同僚が、毎年韓国まで応援に来てくれています。父がバスケ仲間と一緒に試合を観に来てくれたこともありました。バスケ関係で出会った人たち、そしてバスケ以外で私と関わってくれた人たちからたくさんのエネルギーをもらっています」と感謝を口にする。
プロデビューまでには、少し遠回りをしたかもしれない。それでも、社会人として働いた時間があったからこそ巡り会えた人たちもいる。人との出会いを大切にし、一つひとつの縁を育んできたからこその実感だった。
韓国のファンも力強く背中を押してくれた。「母国以外にも自分を応援してくれる人がいるのは、本当に素晴らしいことだと思います。それも、海外リーグに飛び込まないと得られなかったことなので、大きな財産です」と胸を張る。

11月に開幕する2026-27シーズン、昨季レギュラーシーズン2位だった強豪のハナ銀行に移籍し、WKBL3季目を迎える砂川。「自分で攻めることを忘れず、点を取りに行きながら、ガードとして味方を生かしたい。チームの完全優勝に貢献したいです」と意気込む。
チームは変わっても、海外挑戦の原点は変わらない。新たな経験を積むことに対する意欲は、それらをいつか沖縄へ持ち帰りたいとの思いにつながっている。
「沖縄は離島県なので、学生が全国レベルを体感できる機会が少ないんです。だから、先々は地元に戻り、自分の経験を沖縄の子どもたちに伝えて、少しでも基準が上がるような機会を増やしたい。沖縄から全国、そして世界で活躍するような選手が増えたらうれしいです」
自身もまだ、一人の選手として視野を広げる旅の途中にいる。韓国にこだわらず、機会があれば別の国でもプレーしてみたいという。「いろんなスタイルを知りたいですし、見られるだけいろんな世界を見たいです」。31歳になっても、挑戦心はいささかも衰えていない。
決して一本道ではないキャリアだったからこそ、多くの人と出会い、応援してくれる人も増えた。その支えを力に変えて挑戦を続ける姿そのものが、後進に対して「こんな道もある」と伝えている。
(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)
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