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偏差値69、超進学校で1年から言い続けた「高卒でプロ野球」 西武・濱岡蒼太を導いた信念「大学は後でも」

左腕からの剛球が濱岡の武器だ【写真:羽鳥慶太】
左腕からの剛球が濱岡の武器だ【写真:羽鳥慶太】

塾ではなくジムへ「もう貫くしかない」という覚悟

 さらに「自分もインターネットを信じてやってきた人間なので……」と言うように、川和では発信力に長けた外部コーチをグラウンドに招くことが多いのも魅力だった。「僕はデータとか、根拠あることが好きで、そういう人たちって理由を説明してから練習に入るじゃないですか。納得感を持って練習できていたのは、すごく良かったです」。さらに平野太一監督からは、高卒即プロへ後押しを受けた。

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「『プロ野球選手になれるかどうかは君しだいだけど、俺はもう全力でサポートする、全力で応援するよ』って言われたんです。そう言ってくれたのは監督だけでした。なので大学のことを考えずに、プロ野球選手になるとだけ決心して部活をできたのはありがたかったです」

 ただ進学校の進路指導は、大学へ進むのが前提だ。「最初のうちはやっぱり『お前はそうしたいかもしれないけど、(大学のことも)ちゃんと考えておけよ』みたいな感じでしたけど……」。しだいに周囲に思いが伝わっていった。さらに3年時の担任は、野球部の平野監督だった。「僕がずっとプロ野球選手って言い続けてたこともあって、みんなだんだん応援してくれるようになって『こいつマジだな』みたいな空気になりました」。行動もより具体的になっていった。

 高校1年の夏、塾ではなくスポーツジムに行き始めた。「皆が勉強している時間を、自分は野球のために使おうと思ったんです」。一方で、睡眠の重要性にも目を向けていた。「私立の選手は夜遅くまで練習しているかもしれませんけど、自分は寝ることが大事だと思って」。体が大きくなるのは寝ている時間ということまで、頭に入れていた。野球漬けの日々は覚悟も生んだ。

「そういう野球中心の生活を一度してしまったら、もう貫くしかない。高校2年の途中から勉強にシフトするとかは考えられませんでした。大学はプロ野球選手になったあとでも行けますし、(大学生には)いつでもなろうと思えばなれる。でもプロ野球選手に高卒でなれるチャンスは今しかないですし、4年後に大卒でなれる保証はない。チャレンジできるのはその時しかないんです」

「今振り返ると『高卒で行って大丈夫?』みたいな考え方をひっくり返したいという気持ちも、ちょっとありましたね」と笑う濱岡。「育成でもプロに行って良かったと初めて思えるのは、支配下になれた時でしょう。ただ現段階でも、大学に行っていたら経験できなかったことがたくさんありますし、心も体も成長できているなという実感があります。まだまだこれからですけど、本当に入ってよかったなと思います」。1軍を目指して、小さな進化を重ねていく。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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