成就した家族の“悲願”…迎えた運命の瞬間

　中学卒業後、県内の強豪・日大藤沢高に進学。典子さんも仕事を辞め、サポートに専念することを決意した。「母親にしかできないことをやろう」と高校生活3年間を全て息子に捧げた。

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「いつからか家族の夢になって。正直大変でしたけど、どこか楽しかった」。成長をそばで見守ることができたのは一生の思い出だ。

　こうした支えがあり、甲子園には届かなかったものの、高校通算24発、俊足好打で神奈川屈指の遊撃手として注目される存在になった。

　そして迎えた運命の瞬間――。指名直後の半田は駆け付けた両親に向かって笑顔でこう言い放った。

「今まで本当にありがとう。これからは俺が楽しませるから」

　家族を愛し、愛されたルーキーが、再び新たな夢を背負い、プロの世界でしのぎを削る。