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出版社社長でラグビー協会の仕掛け人 異色の指導者が“原石”発掘に情熱を注ぐ理由

185センチ・125キロの体躯を誇る夢野台高2年の馬は昨年ラグビーを始めたばかりだ【写真:吉田宏】
185センチ・125キロの体躯を誇る夢野台高2年の馬は昨年ラグビーを始めたばかりだ【写真:吉田宏】

185センチ・125キロのビッグマンは昨年ラグビーを始めたばかり

 参加した原石くんの声も紹介しておこう。

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 小学2年の時に中国・大連からやってきた馬煜城(兵庫・夢野台高2年)は185センチ・125キロという国際規格のサイズの持ち主。このキャンプに呼ばれた選手の中でもトップクラスの“ビッグマン”は、高1つまり昨年からラグビーを始めたばかりだ。

「中学ではバスケットボールをやっていたけど、志望する高校では体格を生かしてラグビーをやりたいと思っていました。父からは危ないと反対されたけど、僕自身は痛いとか怖いイメージはなかったです。ラグビーのイメージはタックルですから。最初は体力がないから苦しかったけれど、先輩たちから応援してもらって楽しくなってきた」

 恵まれたサイズに注目した関西ブロックのユース指導者からの推薦でこのキャンプにやって来たが、兵庫県で「ベスト8に入ろうとしている」(馬)レベルの高校生には大きな刺激があった。「ここでは、みんなめちゃめちゃ声出したりしているから、僕もやる気が出ます」。戸惑いながらも仲間に追いつこうと練習メニューに打ち込んだ。

 このキャンプで初めて馬のプレーを見たゴリは「推薦が上がってきた選手だが、たまたま夢野台高校には行ったことがあったんですよ、教科書営業で。グラウンドがめちゃ狭くて、生徒の半分が女子という印象。『あの高校に(好素材の選手が)いるの?』と思いながら会ってみたら、あのサイズですからね。続けてくれたらチャンスが出てくると思うので期待しています」と目を細める。

 馬以外でも、練習を見ると原石だらけだ。パススキル、スピード、ステップと高い能力を見せ、このキャンプでの測定で50メートル走5秒8、立幅跳び3メートルをマークしたWTB/FB長谷川諒(報徳学園2年)、積極的な仕掛けが目立ったSO中田和志(作新学院2年)、SO/CTB普門晃輔(高松北2年)、足を痛めて存分には実力を出せなかったが俊敏なステップが武器の後藤祭(長崎南山2年)ら、磨き甲斐のある選手が揃う。体重130キロのPR一ツ橋孟也(常翔学園2年)は、身長172センチと身長・体重のバランスは良くないが、ゴリは「でも、あれで体を108キロくらいに絞って、HOなんかできたらいいんじゃないですか」と、あくまでもポジティブに選手を見つめる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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