部員1人の野球部で“ユニホーム違いの仲間”に救われた話 単独出場可能も「解散あり得ない」繋がれたバトン――相模向陽館・高瀬智祐
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は10日、横須賀スタジアムで2回戦が行われ、大和東と相模向陽館の連合チームが0-19で浅野に5回コールド負けした。高瀬智祐左翼手(相模向陽館3年)は3回から途中出場を果たし、1打数無安打。昨年夏から今春まで、たった1人の時期もあった同校の野球部を最後まで守り抜いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は10日、横須賀スタジアムで2回戦が行われ、大和東と相模向陽館の連合チームが0-19で浅野に5回コールド負けした。高瀬智祐左翼手(相模向陽館3年)は3回から途中出場を果たし、1打数無安打。昨年夏から今春まで、たった1人の時期もあった同校の野球部を最後まで守り抜いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
3回の守備から左翼手として途中出場。しかし、4回の守備では味方との意思疎通がうまくいかず、左中間にポトリと落ちる適時打を許した。捕っていれば無失点でチェンジ。チームの目標であった「1イニング無失点」を達成することはできず「俺が捕るって言ったら、あの1点はなかった」と試合後の表情には無念さが滲んだ。
野球を始めたのは小4の頃。定時制の同校では同期がおらず、1学年下の後輩も入部せず。昨夏で先輩が引退すると同時に、部員は高瀬1人になった。先生とキャッチボールをし、ノックを打ってもらう日々。大和東のチームメートに対し、他校の部員である自分を受け入れてもらう感謝が強く「頑張らなければいけない」と自ら重圧かける時期もあった。
高瀬の悩みとは裏腹に、仲間は温かかった。「大和東のみんながすごく優しくてここまでやってこられた」。今春には大和東に多くの1年生が入部し、単独出場可能な部員数を確保。それでも連合チームは継続された。相模向陽館の鈴木健太監督は「ここまで一緒にやってきたのに解散するのは『あり得ない』と選択してくれた」と決断の背景を明かす。
今春、相模向陽館にも山田陸斗ら1年生が入部。新たな世代にタスキが渡った。指揮官も「相模向陽館野球部を1人で繋いでくれた、存続させてくれたのは学校にとって非常に大きな存在だった」と感謝を込める。
チームメートに伝えたい言葉は決まっている。「僕に3年生の夏まで野球をやらせてくれてありがとう」。ユニホームが異なる仲間たちと過ごした日々は、何にも代えがたい思い出になった。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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