マクドナルドを辞めて野球部へ 帰宅部2年生が一大決心「入部届もらってくる」最初で最後、仲間との夏――鎌倉・竹内康祐
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は11日、中栄信金スタジアム秦野で2回戦が行われ、鎌倉が6-3で相模田名に勝利し3回戦に進んだ。ユニホームを着てベンチ入りした男子マネージャーの竹内康祐(3年)は2年生だった昨夏、マクドナルドのアルバイトを辞め、野球部に途中から加わった。1年間を野球に費やすという決断が、人生を大きく変えた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は11日、中栄信金スタジアム秦野で2回戦が行われ、鎌倉が6-3で相模田名に勝利し3回戦に進んだ。ユニホームを着てベンチ入りした男子マネージャーの竹内康祐(3年)は2年生だった昨夏、マクドナルドのアルバイトを辞め、野球部に途中から加わった。1年間を野球に費やすという決断が、人生を大きく変えた。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
背番号20をつけた竹内が、チームを必死に支え続けた。2点リードで迎えた7回、3-3の同点に追いつかれてもやるべきことは変わらない。ベンチでナインに声を掛け、うちわで風を送る。直後の攻撃で3点を奪い勝ち越すと、そのまま逃げ切った。チームの勝利に竹内は「みんなと同じ目線に立って、胸に熱いものを感じました」。試合後には1回戦に続き“人生2度目”の校歌を熱唱した。
小学生の頃は少年野球でプレーしていたが、中学では陸上部。高校入学後、一度は野球部に入ろうと考えたが「ブランクが大きいかな」と諦め“帰宅部”になった。暇つぶしのためもあり週3回、1日3時間ほどマクドナルドでアルバイトの日々。自らの手でお金を稼ぐ経験は楽しかったが「皆は部活やってるのに、俺だけ帰ってバイトか……」。どこか孤独感に襲われていた。
そんな悩みを抱えていた昨年夏のこと。2年生だった竹内が目にしたのは、2回戦で厚木に敗れた鎌倉ナインの姿だった。延長10回、タイブレークに突入した末に3-4。保土ケ谷球場で見届けた大熱戦に「みんなと一緒にやってみたい」と心が動いた。試合が終わった28分後、興奮冷めやらぬまま「明日入部届もらってくる」と母・由衣さんにLINEを送信。「もらってこーーい」と後押しを受け、すぐさま入部を決めた。
ただ異例ともいえる途中入部。「最初は本当に何もわからなかった」と話すように、同学年の2年生の名前を覚えるところから始まった。コミュニケーションを取りながら、部内のルールや動きを学ぶ毎日。そんな忙しい日々を過ごすうちに、いつしかアルバイト時代の孤独感は消え、性格まで明るくなった。野球部での日常の話題は、家族の会話を増やすことにもつながった。
練習ではノックを打ったり、部員が足りない時にキャッチボールの相手をすることもあり、女子マネージャーとは違う形でチームを支え続けた。土谷瞭真監督も「彼がいるから、安心してチームを任せられる」と、1年間続けてきた献身に太鼓判を押す。次は14日にシード校の藤沢翔陵と対戦する。竹内は「みんながベストな状態で戦えるようにして、最後まで笑って終われるようにしたい」とチームへの全力サポートを誓う。最初で最後の夏は、まだ終わらせない。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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