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出版社社長でラグビー協会の仕掛け人 異色の指導者が“原石”発掘に情熱を注ぐ理由

キャンプは感染対策をしながら実施、間食が用意されるなど体作りもサポートした【写真:吉田宏】
キャンプは感染対策をしながら実施、間食が用意されるなど体作りもサポートした【写真:吉田宏】

指導するコーチに欠かせない資質

 指導陣もユニークだ。ゴリ以外にも元東芝府中FL中居智昭(スカイアクティブズ広島ヘッドコーチ)、元三洋電機CTB三宅敦(ワイルドナイツスポーツプロモーション)、元ヤマハ発動機WTB中園真司(日野自動車)ら、国内ラグビーを盛り上げてきたOB選手が並ぶ。

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「コーチの顔ぶれは、全部自分でオーガナイズさせてもらった。この合宿はツアーに行って勝つというのじゃなく、選手たちに武器と志を作ってあげたい。そこに向いているコーチにお願いした。彼らは選手に武器を与える職人だと思う。(中園)真司も、たまたま(高校、所属チームが一緒だった大田尾)竜彦から紹介してもらった。『あいつ、真っ直ぐでいいですよ』とね。高校生に向いていると思うんです」

 積極的に若いコーチを仲間に加えているのは、自身のこれからも視野に入れている。「コーチングの仕方、TIDも僕がやるのはそろそろ終わりにしたいと考えている。彼らみたいな若いやつで、これからやっていってほしい」と後輩たちへの期待を語るゴリだが、メンバーにはコーチとしてスキルだけではない、欠かせない“資質”も重視して声をかけている。

「(高校の)先生方と一緒に飲めるやつじゃないとだめだと思う。それを、ちょっとお高くとまって『日本協会から来ました』なんてちらっと来て、(チームと)別のホテルに泊まるようなやつじゃないんですよ。1泊3000円で3食ついてくるようなスポーツセンターに泊まって、みんなで同じ飯を食って、酒飲んでバカやって……。そうすると『あ、そうだ。あそこの高校にビッグマンいたらしいよ』とか、ふわっと情報が来るようになる」

 そんな人間関係を、コーチとして、そして教科書出版社の営業マンとして築いてきたからこそ、今の“ビッグマン&ファストマンキャンプ”がある。

「面白いですよ。最初は、僕がこのキャンプに見合う選手を全国9ブロックに探しに行っていたけれど、それでも合宿に予定していた人数枠が埋まらなかった。でも、いろいろな先生、関係者と繋がっていくなかで、僕のところに情報がどんどん集まってくるようになった。情報の矢印が真逆になっている。だから、僕以外の人が受け持っても、今は『こんな選手がいる』という情報はどんどん上がってくる。合宿に呼べる選手数も最初の40人から、今は170人に広がっていますから」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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