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ラグビー強豪が医療で地域貢献へ 埼玉ワイルドナイツ、本拠地にクリニック開院の理由

ラグビー感満載のクリニック廊下【写真:吉田宏】
ラグビー感満載のクリニック廊下【写真:吉田宏】

ピッチ外で生まれる様々なアイデア

 1つの大企業が主導権を持って様々な事業を展開するのが日本の古いビジネスモデルだが、ワイルドナイツの熊谷を舞台とした事業展開は複合・連係型だ。飯島GMが語ったように、グラウンド横のホテル「熊谷スポーツホテル パークウイング」の事業主は熊谷を中心にホテルを展開する株式会社ヘリテイジリゾートで、ホテル内にはワイルドナイツチームストアや7人制女子チーム・アルカス熊谷の事務所がテナントとして入る。チームクラブハウス内のカフェもワイルドナイツやパナソニックの経営ではない。ワイルドナイツ自体も、中心施設である練習グラウンド、クラブハウスは、自治体、県協会を通じて長期的に借り受けている。事業ごとに様々な企業、団体が経営・運営を担う複合体となり、それぞれの事業を取り込みながら地域の拠点作りを目指す。その新たな仲間がワイルドナイツクリニックだ。

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 この新しいクリニックも、開業したことがゴールではない。飯島GMは“これから”生まれるものへの期待感を力説する。

「ここは医療分野ですけど、周りは公園だし、宿泊施設、グラウンドや室内練習場もある。いろいろな施設と人材もいる。なので、医療は医療と縦割りになっているのを、もう少しこのクリニックを生かして、医療が終わった後の日常の健康維持・管理だとか、食事などにも取り組んでいくことで、良い生活習慣を作れば、結果として医療費を抑制できるんじゃないかと思います。そして、この地域の子供たちの、かなり長い目で見たデータとかをここで集めていただいて、将来に役立てたい。アスリートというのはどういう形でやっていけばいいのかということの、一つの大きなベースになっていけばなと思っています」

 飯島GMの持ち前の開拓者精神も健在だ。名門チーム三洋電機ラグビー部を、廃部の危機から合併先のパナソニックで存続を認めさせることに一役買った同GMは、今も立ち止まることを知らない。今度は、チームの事業化というチャレンジに斬り込んでいく。

「昨年8月に移転してから半年で、表立ってお披露目できるのは既存の施設だけですが、時間をかけてやってきましたので、現在進行形で話し合っているものもあります。収支だけだと最初からそんなに利益が出ない。特にラグビーの試合は、かなり厳しいものがあります。でも、やらないといつまで経っても同じですからね。いいタイミングだと思うし、とりあえずチャレンジして、そこからいいものを残していって、合理化するものは合理化していくという形だと思います。こういう施設も複合型みたいな形なので、いろいろなアイデアがこれから出てくると思います。宿泊するところ、練習するところ、クラブハウスとか、競技場で、こういうことができるんじゃないかと。新たなものが出てきて、地域の方にとっていいものが出てくればいい。ここ(熊谷)には伸びしろはあると思うので、数年以内に日本で一番住みたい地域にしたいですね」

 100メートル×70メートルのピッチの中では、ラグビー日本一を目指す“野武士軍団”ワイルドナイツ。だが、ピッチの外側に広がる新天地では、スポーツビジネスの維新へと刀を研いでいる。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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