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井上尚弥、米記者が見る初挑戦の価値「圧勝ならマニアだけじゃなく世界中が注目する」

すべての関係者が口を揃えた“井上有利”「才能は世界でも5本の指に入る」

「井上はスーパーフライ級では破格のパワーの持ち主だったが、バンタム級で3パウンド増えることの影響はどこかで出てくるはず。王者はこの階級のベテランであり、打たれ強さにも定評がある。マクドネルはパンチをもらうタイプの選手だが、サイズ面で大きなアドバンテージがある。転級初戦であることを考えれば、井上にとってタフなファイトになっても驚かない。勝負が後半にもつれ込み、8〜12ラウンドにマクドネルが前に出てきたときに井上がどう対処するかが興味深い」

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 リングマガジンのライアン・サンガリア記者はそう述べ、井上が苦戦する可能性を指摘する。日本が誇る“モンスター”への評価はアメリカでも高まる一方だが、バンタム級ではまだサンプルがないのも事実。身長13センチ、リーチで14センチも上回る1階級上のチャンピオンに、昇級初戦で挑むというのはかなり強気のマッチメイクではある。経験豊富なマクドネルが井上のパワーパンチを耐え抜いた場合、後半戦は面白くなることも考えられるのだろうか。

 ただ……試合展開、勝敗予想を聞くと、最終的にはすべての米メディア、関係者が“井上有利”と口を揃えた。

「マクドネルはハードワーカーで打たれ強いが、井上のスピードとパワーを備えたコンビネーションは別格。早いラウンドは競ったものになるかもしれないが、終盤にはストップに持ち込めるだろう。10ラウンドKOで井上が勝つと予想する」

 “井上の後半ストップ勝ち”というナム記者の予想は、このファイトを考える上での代表的な意見だ。その体格差と粘り強さに多少は苦しむとしても、才能、時の勢いでは井上が断然上。マクドネルの力を認めるサンガリア記者も、予想となると、「井上の才能は世界でも5本の指に入ると見ているから、その選手が負けるという予想を出すことは私にはできない」と述べていた。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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