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川口能活×中村俊輔vol.1 「天狗」になった“あの時代”から学んだこと

クラブチームの先輩「君付け」に川口びっくり「ええ!こんなこと許される!?」

川口「静岡県の高校は有無をいわさず1年生は全員坊主だったけどね(笑)。U-16に初めて呼ばれたとき、クラブチームの選手たちはみんなカッコよく髪の毛を伸ばしているのを見て、ちょっと憧れた。しかも1つ上の選手に対して『〇〇君』と呼んでて『ええ! こんなこと許される!?』ってビックリした(笑)。きっと高校はクラブチームとだいぶ、勝手が違ったでしょ?」

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中村「うん、違った(笑)。まず、1年生はボール磨きとボール拾いばかりで、早々に物足りなくなってしまった。『このままでは日産時代と同じことをくり返してしまう』と思って、いかに練習以外の時間を自分のために使うかを考えましたね。その後は始業前と部活後に自分でメニューを考えて自主練。中学での反省があったから、自分からやらなきゃという気持ちになりましたね」

川口「自主性と大切さは僕も高校時代に痛感した。『自分でしっかりやらないと試合に出られない』という厳しさを教えられました。清商ではとにかくチーム内の競争が激しかった。僕は1年生からレギュラーで使ってもらえたけど、ポジションを争う相手は常に先輩。しかも、キーパーのレギュラーポジションが一つ。レギュラー争いに勝ち続けるには、先輩以上に練習をするしかないけれど、僕がやっているようなことは、当然、先輩たちもやっているんです。だからひたすら、ものすごい量の練習をこなしていましたね。特に中学から高校にかけての年代は疲れ知らずだったし」

中村「清商は選手権の常勝チームですからね。僕の学校とは競争の厳しさのレベルがまったく違う」

川口「成長する上で、ライバルの存在は貴重だし、大きい。ライバルが頑張る姿を見ると、自分もさらに練習に身が入る。そして、その積み重ねが上達につながるんだよね」

(第2回に続く)

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

【第2回】川口能活×中村俊輔vol.2 能活が俊輔に感じた高校時代の覚悟「だから今の俊がある」
【第3回】川口能活×中村俊輔vol.3 ありすぎて難航? 2人が選ぶ「互いのプレーベスト3」
【第4回】川口能活×中村俊輔vol.4 今、考える“引き際”「いらないと言われるまで現役で」

<川口能活、初著作「壁を超える」を刊行>

 川口は初著作「壁を超える」をこのほど上梓した。

 42歳現役選手を支え続けるものとは何か――。順風満帆に見えて、実際は今ほど整っていない環境での海外移籍や度重なる怪我など辛い時期を幾度も乗り越えてきた。メンタルが問われるゴールキーパーという特殊なポジションで自分自身を支え続けるものは何なのか。

第1章 苦境のおしえ
第2章 人を育てるということ、組織(チーム)を率いるということ
第3章 リーダーの肖像 ――指揮官たちに教わったこと
第4章 厳しかった日々と家族の存在
第5章 「現役」であること、「引退」に思うこと

「あの時」、川口は何を思っていたのか――。
定価:本体800円+税 ISBN:978-4-04-082166-5

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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