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佐藤琢磨、インディ500制覇の裏にあった絆 名エンジニアが語る「最高のはなむけ」とは

引退するジョーンズ氏へ最高のはなむけ「琢磨には本当に感謝している」

 実は、ジョーンズ氏は3年前に引退することを考えていた。だが、佐藤がチームに移ってきたタイミングだったことで思いとどまり、コンビを組んだ。ドライバーにとって信頼できるエンジニアの存在は成功に欠かせない要素。通算6勝のうち、RLLに復帰した2018年以降、元ドライバーのジョーンズ氏とのコンビで4勝を挙げており、2人の相性の良さが好成績に繋がっている。

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 同氏は佐藤について「まず人間性が素晴らしく、人を引きつける魅力がある。また、車のテクニカルな部分への理解が非常に深く、エンジニアと一緒に速い車を作り上げようという意識がとても強い。そういう意味でも一緒に仕事をするのがとても楽しかった。レースでは常にマシンの性能を100%引き出そうとベストを尽くしてくれる。エンジニアとしてとてもやりがいを感じられる」と振り返った。

 体調面や家族のことを考慮し、同氏は今シーズン前に佐藤に引退する意思を告げていた。今年のインディ500は2人にとっての集大成と言える舞台であり、佐藤も「最高の形で終わらせてあげたかった」という思いを持って臨んでいた。それだけに、2人にとって感慨深い勝利になった。

 佐藤は「この3年間、エディーとの忘れられない思い出がたくさんあります。悔しいレースもたくさんありました。チームに復帰した2018年(のインディ500)は、どん底の結果(クラッシュでリタイア)で19年に3位という結果を出した。そして今年はエディーと自分たちで作り上げた車で優勝することができた。ただ運に恵まれたのではなく、最強だったディクソンを正面からぶち破って勝ったわけですから。これ以上の達成感はないわけで、エディーへの最高の思い出とプレゼントになった。彼と積み重ねてきたものを一緒に出せたことに幸せに感じます」と感慨を込める。

 ジョーンズ氏も「インディ500を制したことで、すごくいい形でキャリアを締めくくることができたと思う。ワールドチャンピオンとして舞台を去るような気持ち。自分たちの努力をドライバーが勝利に結びつけてくれることは大きな喜び。琢磨には本当に感謝している」。レジェンドと言われるエンジニアへの最高のはなむけになった。

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