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早大の日本一PR、最下位チームの原石 将来の日本代表入りが期待される逸材たち【FW編】

青学大FL中谷玲於【写真:(C)JERFU】
青学大FL中谷玲於【写真:(C)JERFU】

リーグ戦にも原石多数、ここまで未勝利の青学大にいる“ヒットマン”とは

 リーグ戦1部も11月15日までに全8チームが5試合を消化。昨季の大学選手権成績により、今季は3位までという選手権出場資格を掛けたクライマックスに突入した。

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 14日の日大との全勝対決を制した流通経大、15日に大東大を倒した東海大が全勝をキープ。攻守、FW、BKともに安定感を印象付ける東海大、そして“ダイナミック・ラグビー”をスローガンにする勢いのある流通経大という2強を軸に終盤戦が繰り広げられる中で、3連覇に挑む東海大FWでは、フィジー人留学生LOワイサケ・ララトゥブア(ラトゥ・サー・ララスクナメモリアル=2年)に注目したい。

 リーグ戦では、昨季の上位4校が留学生を受け入れている。個人的には2018年度から出場枠が2人から3人に拡大したことがゲーム内容に影響を及ぼしていると考えているのだが、その留学生の多くが個人技、パワー頼りの存在。プレーの粗さも目立つ。その中で、U20フィジー代表のララトゥブアは異質の輝きを見せる。ボールを持って外国人選手らしい突進も見せる一方で、その持ち味は密集戦に参加するなどの下働きにある。

 フィジー選手といえば奔放な個人技が持ち味だが、ララトゥブアは193センチ、113キロの大型選手ながら、日本選手のように、腰を落とし、低い姿勢でラックを作り、ボールを追走する。このフィジアンが持つ運動量に支えられた勤勉さ、ワークレートの高さは、国際舞台でも欠かせない資質になるはずだ。

 原石という括りでは、法大のルーキーLO竹部力(大分舞鶴=1年)のワークレートに注目したい。高校時代、そして法大のメンバー表ではPRの欄に名前がある。185センチ、107キロのサイズを生かして、小兵選手が多いチームではLOで開幕から先発出場を続け、密集戦でのジャッカル、機動力でチームに貢献している。国際舞台ではLOとしてはサイズに難があるが、PRで今の運動量を発揮できれば桜のジャージーが手の届くところに近づくはずだ。

 上位校の逸材にスポットを当ててきたが、15人という球技では大人数でプレーするラグビーは“エースで4番”だけでは勝てない。つまり、下位チームにも好素材が埋もれているのがラグビーだ。

 対抗戦で開幕5試合を終えて未勝利の青学大にも、そんな埋もれたヒーローがいる。FL中谷玲於(京都成章=3年)を一言で表現すれば“淵野辺のヒットマン”。171センチ、82キロとサイズはBKでも小兵だが、試合では80分間相手に刺さりまくる。その持ち味は、ターゲットとなる相手の動きと判断を狭めるような詰めの早さ。スピードもあるが、それ以上に判断してからの迷いのなさが効いている。高校生にも多い小型バックローの最高のお手本だ。慶大戦では、強烈なタックルで相手NO8を退場させ、直後にはFBもメディカルスタッフの処置を受けるほど痛めつけた。どの試合でも相手選手を背後に逃したシーンを見たことがないほどの、ヒットマンの気迫に満ちたタックルにも注目してほしい。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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