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早大の日本一PR、最下位チームの原石 将来の日本代表入りが期待される逸材たち【FW編】

コロナ禍の中で開幕した関東大学ラグビーは、11月後半の終盤戦を迎えている。リーグ戦1部は21日に東海大―流通経大の全勝対決、対抗戦A(1部)では23日の早慶戦はじめ、優勝と大学選手権出場に直結する順位、そして優勝争いが続く。ファンにとっても観戦チャンスが増えるこれからのデッドヒートの中で、次世代の日本代表として期待の有望選手、可能性を秘めたお薦めの原石を紹介する。前編はグラウンドの最前列で体を張るFWの逸材にスポットを当てる。

早大PR小林賢太【写真:(C)JERFU】
早大PR小林賢太【写真:(C)JERFU】

佳境の関東大学ラグビー、ファン必見の次世代の有望選手を紹介【前編】

 コロナ禍の中で開幕した関東大学ラグビーは、11月後半の終盤戦を迎えている。リーグ戦1部は21日に東海大―流通経大の全勝対決、対抗戦A(1部)では23日の早慶戦はじめ、優勝と大学選手権出場に直結する順位、そして優勝争いが続く。ファンにとっても観戦チャンスが増えるこれからのデッドヒートの中で、次世代の日本代表として期待の有望選手、可能性を秘めたお薦めの原石を紹介する。前編はグラウンドの最前列で体を張るFWの逸材にスポットを当てる。

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 大学ラグビーを実力、人気の両面で牽引してきた関東大学対抗戦、リーグ戦の両グループ。中でも対抗戦は、昨季まで13シーズン連続で大学日本一チームを輩出してきた。強化が進むチームには、今季も多くの有望選手が集まっている。

 その対抗戦で、現在唯一の全勝で首位に立つのが昨季大学選手権王者の早大だ。開幕から5試合を終えて、早稲田フィフティーンが見せる個々の選手のコンタクト時のボディーコントロール、2人目、3人目の集散の速さ、そしてチャンス時の15人全員の反応の早さをみると、対戦相手以上に入念なコーチングの下に試合を進めているのは明らかだ。試合までのプロセスで、相手に差をつけている印象だ。

“揺さぶり戦法”と呼ばれるボールを積極的に動かすスタイルを信条として、BKに数多の日本を代表する選手を輩出してきた早大だが、FWで高いポテンシャルを発散するのが右PR小林賢太(東福岡=3年)だ。昨季の大学日本一にも貢献した不動の背番号3は、身長181センチ、体重115キロの恵まれたサイズを武器にスクラムの要となっているが、早稲田伝統の機動力でも魅せる。

 開幕の青学大戦ではゴール前ブレークダウンでのジャッカル(密集戦で相手ボールを奪い取るプレー)を決めると、自陣から50メートル近くを駆け抜けるBKもびっくりのランプレーも披露。筑波大戦でも、独走からパスダミーで相手を抜き去り、その後のトライにつなげるなど、組んで良し、当たって良し、走って良しの、対戦相手にとっては危険な3番だ。昨秋のワールドカップ(W杯)で日本代表勢が見せたように、最先端のラグビーではPRにも求められるボールを動かす能力とスキルを持ち合わせている。

 すでに実績を残す小林に対して、原石として将来性を感じさせるのがルーキーFL村田陣悟(京都成章=1年)だ。開幕戦こそベンチスタートだったが、2戦目からスタメン入りすると、185センチ、95キロのサイズとBK級のスピードを駆使して攻守にダイナミックなプレーを見せる。帝京大戦でのゴール前密集からボールを拾ってマークしたトライのように、チャンスの嗅覚と旺盛さも魅力。これからの早稲田の中心選手として期待が高まる。

 タレント揃いの早大と23日に相まみえる慶大には、要注目のFLがいる。すでにU20日本代表などでも実績を持つFL山本凱(慶応高=3年)は、密集戦のスペシャリストとして学生屈指の能力をみせる。1試合でのタックル、ジャッカルでは、おそらく毎試合チームトップの回数を誇ると思われるほど、常に密集戦周辺や、密集の中に背番号7がいる。姿勢の低さ、踏み込みの強さ、そしてコンタクトエリアでのスピードといった要素が相まって、この177センチ、93キロと決して大柄ではないオープンサイドFLを特別な存在にさせているのだろう。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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