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そりゃファンも驚くわ 偏差値71の高校で陸上日本一→東大理1に現役合格、全国2位に…究極の文武両道の思考力――東大・吉澤登吾

決勝で力走する吉澤(中央)【写真:中戸川知世】
決勝で力走する吉澤(中央)【写真:中戸川知世】

勉強も陸上も「どっちもあった方が僕はうまくやれる」

 東大理科一類で学びながら、全国トップレベルの競技生活を送る。だが、本人に「両立している」という大仰な感覚はない。

「(勉強があると)息抜きができる。陸上、陸上ってなって追い込まれすぎる時も、勉強だったら自分がやっているだけで楽しい。論理的思考力が生きる部分もあるけど、時間を奪われてマイナスというより、どっちもあった方が僕はうまくやれるのかなと思います」

 高校時代から、自分で考えることを徹底してきた。桐朋高では練習メニューを自ら組み、指導者と確認しながら進めた。大学でも基本は一人。ジョグも、ジムも、自分で行く。「誰かに引っ張ってもらうとかは一切ない。中高もそうだったので、一人でやること自体は何にも苦じゃない」

 しかも現在は、800メートル選手が一般的に行う400~600メートルのレースペース練習をほとんどしない。

「800メートルに直接つながりそうな練習をしない、というのが(方針として)一個あって。直接つながる練習をしていれば速くなるけど、それをやったって上限が決まっている。それより、本当にベースのところで体を作るとか、距離を踏むとか、スピードをもっとつけるとかを重視している」

 目の前の800メートルを速く走るためではない。もっと先で、もっと速く走るために今を使う。

 今季の目標だった自己ベスト更新と日本インカレのメダルは達成した。来季は日本選手権の表彰台、記録は1分45秒から44秒を見据える。ただし、それすらゴールではない。

「1分45秒、44秒を出すために練習するというより、43秒、42秒、41秒が見える形で45秒、44秒を出していく。ただの通過点として、そういうタイムが出せるようにしっかり計画を立てたい」

 偏差値71の進学校から東大理科一類へ。陸上ではU20日本一から、日本インカレ2位へ。将来は日本代表、そしてオリンピックを夢見ている。

 文武両道という言葉で括れば簡単だ。だが、吉澤がやっているのは、勉強と競技を半分ずつ頑張ることではない。どちらも遠くを見て、自分で考え、今やるべきことを積み上げる。

「自信があるからやるというより、やってみたいし、やれる可能性はあると思うから、そこを信じてやるって感じです」

 全国2位にも「こんなもん」と笑った2年生。その視線は、もうずっと先にある。

(THE ANSWER編集部)

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