部活をしながら大学生アスリートはなぜ働く? 大戸屋(時給1163円)家庭教師(時給3500円)禁止の学校も…「体育会学生のアルバイト事情」を聞いた
今大会優勝した選手たちも勉強に部活、アルバイトを両立
学生トップクラスで全国区の選手でありながら、アルバイトをしながら競技に励んでいる選手もいる。
女子1部・800メートルで優勝した勝くるみ(筑波大・3年)も飲食店でホールスタッフとして働く。多い時は週2回、4時間程度。筑波大は対校戦の今大会、女子1部総合得点で2位に入った強豪だが「アルバイトは8、9割がやっている。『バイトやってる?』ではなくて『どこでやってる?』が普通の会話」という。
男子1部・4×100メートルリレーを制した中大の4走を務めたエケジュニア瑠音(3年)は授業と練習の合間で、限られた空き時間を活用。「自分の時間、ペースでできるので気持ち的にも楽」という理由で、日雇いのフードデリバリーで働き、陸上費用などに充てている。
こうした風潮や文化もあり、アルバイトと両立した大学らしい競技生活に胸を膨らませる新入生もいる。女子1部・100メートルと4×100メートルリレーで2冠を達成した杉本心結(青学大・1年)は「カフェでバイトするのが憧れ」と目を輝かせ、「先輩たちもイタリアンや居酒屋でやっている」と教えてくれた。
学業と部活に加えて、アルバイトもこなす学生たち。大学に通ううえで、保護者が負担できる範囲や奨学金の返済の有無など、お金の事情は選手によって異なる。だからこそ「陸上一筋」と部活に打ち込める環境や、フレキシブルに活動できる環境など、個人に合ったやり方を選べることが学生の選択肢を広げることに繋がるかもしれない。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)