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指名漏れから10年…「由伸2世」の今、現役復帰の理由 32歳、再び全国へ 谷田成吾が歩けば道になる

かつて神宮の杜を沸かせたスラッガーが再びバットを手に取った。谷田成吾、32歳。東京六大学リーグの慶大などで活躍した外野手は、神奈川の社会人硬式クラブチーム・全川崎クラブで2024年夏に現役復帰。このほど、全日本クラブチーム選手権出場を決めた。大学4年秋の2015年ドラフトで「まさか」の指名漏れを味わい、25歳で一度はユニフォームを脱いだが、なぜグラウンドに戻ってきたのか。「高橋由伸2世」と呼ばれた男の今を追う。(取材・文=竹内 悠海)

全川崎クラブで現役復帰した谷田成吾(左)、代名詞だった背番号24+1の「25」でプレー。普段は株式会社Habiny取締役としてビジネスで活躍している【写真:古川剛伊(左)、本人提供】
全川崎クラブで現役復帰した谷田成吾(左)、代名詞だった背番号24+1の「25」でプレー。普段は株式会社Habiny取締役としてビジネスで活躍している【写真:古川剛伊(左)、本人提供】

慶大などで活躍したスラッガー 25歳で引退も…30代で描く“夢の続き”

 かつて神宮の杜を沸かせたスラッガーが再びバットを手に取った。谷田成吾、32歳。東京六大学リーグの慶大などで活躍した外野手は、神奈川の社会人硬式クラブチーム・全川崎クラブで2024年夏に現役復帰。このほど、全日本クラブチーム選手権出場を決めた。大学4年秋の2015年ドラフトで「まさか」の指名漏れを味わい、25歳で一度はユニフォームを脱いだが、なぜグラウンドに戻ってきたのか。「高橋由伸2世」と呼ばれた男の今を追う。(取材・文=竹内 悠海)

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 ブランクは5年。バットを1000回振ってもなんともなかった手の皮は、今は200回も振ればボロボロに。筋肉痛も出る。それでも谷田成吾は笑う。

「当時はプロになりたくて野球をやっていたので、自分の成績が一番重く置かれていました。でも今は、自分の成績はどうでもいいというか、チームが勝てればいいという気持ちでやっているので、それが一番楽しいです」

 チームのために動くのが楽しいという「利己」が結果、「利他」になっている。現在の彼の中での野球は、10年の時を経て新たな価値観に変わった。

 慶應高、慶大で本塁打を量産し、大学OBの同じ左打ちのスラッガーになぞらえて「高橋由伸2世」と称された。背番号も同じ「24」。上位指名も予想された大学4年のドラフトだったが、最後まで名前を呼ばれず、まさかの指名漏れを味わった。

「これまで人生を賭けていたもの、すべてを失うみたいな経験でした」

 卒業後もプロを諦めず社会人野球・JX-ENEOSでプレー。米国にも視野を広げ、3年目を迎える3月、知人を介して入団テストの誘いを受けると退路を断って退社し、現地でメジャー6球団のテストを受験。 “プロ野球選手になるため”に人生を賭けた。

 だが、プロの壁は厚く米国では縁に恵まれず、帰国後は独立リーグの徳島インディゴソックスに入団。最後まで、這い上がろうとした。ドラフトには人生で3度挑戦。しかしその夢は叶わず、2019年のドラフトを機に25歳でユニフォームを脱いだ。

「プロ野球選手という夢に未練はない」

 そう語った谷田が30歳を迎える2024年夏、クラブチームで復帰を決めた。

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