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全国4強でも「低迷」と言われた帝京大 名将・岩出監督がV9以降に求めた「健全」の精神

最後の試合前、選手にかけた言葉「ミスはチャンスの入り口」

 今の4年生は1年時に連覇が途絶え、大学日本一の味を知らない。「最強・帝京」に夢を抱いて自身のもとに集まってきたが、勝たせてあげられなかった。「やっぱりラグビーはタックルだ」。回帰したのはラグビーの根幹だった。「勝っても負けても今日を最後にしよう」と決めてやってきた国立競技場。「ミスの後に必ずチャンスが来るから。ミスはチャンスの入り口だぞ」。そう言って教え子たちを送り出した。

 百戦錬磨の名将に背中を押された選手たちは崩れなかった。勝負所でタックルを突き刺し、ターンオーバーを連発。自慢の強力スクラムは分厚い壁になった。後半23分に押し勝ってボールを奪うと、細木は絶叫。攻撃権を渡すことなく、敵陣残り20メートル付近でボールを受けたNO8奥井章仁(2年)は、相手タックルをはねのけながら強引にトライまで持っていった。新チームでも主軸を担う奥井はこう語る。

「監督は帝京大を強くしてくれた。だから、入りたいと思ってここに来た。監督のもとでラグビーができて幸せでした」

 堀江翔太、姫野和樹、流大ら多くの日本代表選手を育て上げた。代表の躍進などラグビー界に多大な影響を与えたのは言うまでもない。最後に選手たちの手で宙を舞った名将。「選手たちが一番頑張ってくれた」と称えた一方で、一つ付け加えた。

「結果が出なくても踏ん張ってきた。それがあったからできた優勝。負けて卒業していった選手たちがいたからここまで来られた」

 厳かな雰囲気となった優勝会見。マイクを握った表情は、少しだけほころんでいた。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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