[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

現役復帰した2児の母・馬淵優佳の悩み 女性アスリートの未来に思う「あったらいいな」

まずは今年8月に開催される日本選手権で、表彰台を目指す【写真:松橋晶子】
まずは今年8月に開催される日本選手権で、表彰台を目指す【写真:松橋晶子】

目指すはパリ五輪も「とにかく楽しんでやるというのが一番のテーマ」

 今、馬淵が掲げる目標は、日本代表として国際大会に出場すること。23年の頭にある国際大会の代表選考会を念頭に、まずは今年8月に開催される日本選手権で、表彰台を目指す。そして、その道の先に見ているのは、24年のパリ五輪だ。

「でも目標はありつつ、とにかく楽しんでやるっていうのが自分のなかの一番のテーマです。

 今、体の感覚を取り戻すのにめちゃくちゃ大変な思いをしていますが、大学までの選手生活に感じていたような苦しみはありません。多分、自分で選んで自分で考えて飛込みをやっているから、自然と楽しめているんですよね。自分で復帰するって決めた以上、苦しいことも楽しんで、絶対に悔いのないよう、競技をやりたいです」

 初めて自分から掴み取りにいった、2度目のアスリート人生。「次こそはちゃんと、競技人生を全うしたい」。馬淵は進取果敢に世界に挑む。

【女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?】

「自分で自分の限界を決めないことです。私も以前は女性はこうあるべきなどの固定観念に囚われていて、物の見方や考え方がとても狭かった。でも、色んな人に出会い、話を聞くなかで、自分がいかに狭い考え方で生きていたかに気づきました。トップアスリートの方たちを取材するなかで『ピークは自分で決めるもの』と言われ、確かにって思ったんですね。例えば『10代がピーク』と言われていたとしても、『20代の自分はもうダメだ』と自ら決めなくていい。私も『限界は自分で決めるものではない』と常に思い、競技をしています」(水泳飛込み・馬淵優佳)

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「女性アスリートが自分らしく、ありのままでいるために、必要なこととは?」と聞き、発信しています。

(「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」8日目は「女性アスリートと月経」、ウエイトリフティング・三宅宏実が登場)

■馬淵 優佳 / Yuka Mabuchi

 1995年2月5日生まれ、兵庫県出身。3歳で水泳を始める。小学4年から本格的に飛込み競技をスタート。中学3年から日本飛込み界の第一人者である父・崇英氏(元日本代表飛込みヘッドコーチ)の本格的な指導を受ける。2009年には東アジア大会3メートル飛板飛込みで銅メダルを獲得。2011年には世界選手権代表選考会3メートル飛板飛込みで優勝し、世界選手権に初出場。立命大では日本学生選手権2連覇を達成した。2017年に競泳日本代表の瀬戸大也と結婚し、現役を引退。2018年に第1子、2020年に第2子と誕生し、2児の母となる。2022年1月に現役復帰を発表。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


W-ANS ACADEMY

1 2 3 4

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集