「もう中継をやめよう」 韓国の陸上「談合」疑惑、激怒したTV解説者に現地で賛同の声「愛情からの発言だ」
韓国で行われた陸上の国内大会で、選手たちが全く競らない“怠慢”ともいえるレースが繰り広げられ、放送中に解説者が激怒するという事件があった。「恥ずかしい」「もう中継をやめましょう」という激しい言葉には、ファンから賛同の声が次々に集まっている。

男子3000メートル障害、全く競らない選手たちに怒りが爆発
韓国で行われた陸上の国内大会で、選手たちが全く競らない“怠慢”ともいえるレースが繰り広げられ、放送中に解説者が激怒するという事件があった。「恥ずかしい」「もう中継をやめましょう」という激しい言葉には、ファンから賛同の声が次々に集まっている。
5月21日に韓国・ミリャン(密陽)で行われた全国大会の男子3000メートル障害。大学の部は異様なレースとなった。スタートラインに立った7人は、まるでジョギングのようなゆっくりとしたペースでトラックを回り、集団を崩さない。走りながら、隣の選手と言葉を交わす場面までカメラに抜かれている。これを中継内で猛批判したのが、解説のユン・ヨチュン氏だ。
「ジョギングですらない。ウォーキングより少し早いくらいです。失望を与えています。これが大学陸上の現実です。陸上人として恥ずかしい」「視聴者も当然チャンネルを変えますよ。もうこんな種目の中継はやめましょう」「本当に傷つきます。小学生だってもっと速く走りますよ」と厳しい言葉を連発。実況アナが黙ってしまうほどだった。
韓国の公営放送「KBS」はこのレースの模様を公式YouTubeで公開。さらに1日まで行われたアジア陸上選手権でも解説を務めたユン・ヨチュン氏を直撃し、真意を質す動画を公開した。ファンからは解説に賛同する声が次々に集まった。
「解説者がこんなにも正直で嬉しい。苦い言葉を言ってくださる大人がいてくださって嬉しい」
「専門家である解説委員が競技を恥ずかしいなんて…本当のレジェンドだ」
「陸上への心からの愛情からの発言だと思う」
「勝負欲も自尊心もない選手たち…本当に恥ずかしい」
「こんなことを言ってくれる大人に感謝しないといけないよ」
「散歩っていう新しい種目ができたのか?」
ユン・ヨチュン氏はこのような大会の悪影響について「最善を尽くして、記録が出ないのは仕方がない。本人の水準の問題ですから。でも談合をしてレースに臨むなんて、そこから小中学生は何を学べばいいんですか?」と指摘した。
勝利に対して報奨金が与えられるため、とにかく国内大会で勝とうとし、記録を軽視する風潮があるのだという。ユン・ヨチュン氏は「国体で金メダルを取れば、1億ウォン(約1000万円)近くを受け取ります。そうじゃなくて、記録に対する保証をしないといけない。国家や体育会が深刻に考えないといけない問題です」と訴えていた。
(THE ANSWER編集部)