堤聖也が活況のバンタム級に

ボクシングのWBA世界バンタム級王者・堤聖也（角海老宝石）が25日、都内でWOWOWの「エキサイトマッチSP」のスペシャルゲストとして収録に臨んだ。同級は主要4団体全てを日本人が独占中。収録後に取材に応じ、王座返上覚悟で他団体王者と対戦する選択肢があったことを明かした。

　活況を呈するバンタム級戦線で、堤は心中を明かした。

　3月末の年間表彰式。世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）がWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）に来春の対戦を呼びかけた。殊勲賞を初受賞した堤は3人で記念撮影したが、途中から壇上は井上＆中谷の2ショット撮影に移行。自身だけがはける形となり、直後の取材で「みんなの夢をぶっ壊したい」と熱い思いを口にした。

　この日も「ただただ悔しかった」とプライド全開。「ぶっ壊すのが目的じゃない。今の立場的にはそういう風にしていきたい」と中谷戦を希望した。表彰式直後は陣営に「中谷君とできないですか？　（自身のベルトを）返上したらどうですか？」と対戦方法を提案。しかし、石原雄太トレーナーから「ベルトを持っていないと、中谷選手も西田選手も（堤と）やる意味がないよ」と諭されたという。

　昨年10月、井上拓真（大橋）に判定勝ちし、苦労して奪った王座。それを返上してでも強者との対戦を求めている。

　中谷は6月8日にIBF王者・西田凌佑（六島）と王座統一戦を行う。その後は井上戦までにスーパーバンタム級で調整試合を挟む意向。堤は「俺がWBOとやれば、もしかしたら留まる可能性があるかもしれない」と中谷のバンタム級残留を願い、WBO王者・武居由樹（大橋）との統一戦を選択肢に挙げた。2団体統一王者になり、4団体統一戦でぶつかるプランだ。