井上尚弥に涙のKO負け直前「来い!」 キムが挑発の理由告白「僕の戦略では、近づいて来た後に…」
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が24日、東京・有明アリーナでWBO11位キム・イェジュン(韓国)と4団体防衛戦に臨み、4回2分25秒KO勝ちした。敗れたキムは、KO負け直前に井上を挑発した行動の理由について「井上が近づいてきた後に、パンチを打ちたかった」と説明した。

井上が4回KOでキムを粉砕、現役単独最多の世界戦通算24勝
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が24日、東京・有明アリーナでWBO11位キム・イェジュン(韓国)と4団体防衛戦に臨み、4回2分25秒KO勝ちした。敗れたキムは、KO負け直前に井上を挑発した行動の理由について「井上が近づいてきた後に、パンチを打ちたかった」と説明した。
井上は初回、サウスポーの相手に慎重な立ち上がりだったが、2回は狙いすました右ショート、3回はガードの上から右ストレートを炸裂。右ボディーも入れ、鈍い音を立てるたびに客席からどよめきが起きた。白いグラブが返り血に染まる。決着は4回、左フックを効かせてから滅多打ち。最後はワンツーでぶっ倒し、10カウントとなった。
敗れたキムは涙。リング上の井上尚弥も急遽の対戦を感謝し、退場時には観客からも温かい拍手が送られていた。会見には左目に真っ青なあざができた状態で登場。「当然、試合に勝つためにここに来た。今の率直な気持ちは、屈辱的だと思っています」と悔しさを隠さなかった。
4回、KO負けの直前に「来い!」とジャスチャー。勇猛果敢な挑発ポーズだったが、容赦なく倒された。「僕の戦略ではイノウエが近づいてきた後にパンチを打ちたかった。そういうことでした」と説明。カウンターを狙っていたと明かした。
1か月延期と対戦相手変更が続いた異例の興行。井上は現役単独最多の世界戦通算24勝、歴代2位となる3度目の4団体防衛を果たした。戦績は31歳の井上が29勝(26KO)、32歳のキムは21勝(13KO)3敗2分。
井上と対戦予定だったWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)の左目上裂傷で1か月延期され、1月11日の再負傷で対戦中止になった興行。最初の延期決定後にリザーバーとして前座に準備していたキムが代役を務めた。男子世界戦の日韓対決は11年2か月ぶり、日本開催では19年ぶり。井上は2020年10月から世界戦10連続KO勝利を飾り、自身の日本記録を更新した。
(THE ANSWER編集部)