「5.6」東京Dの井上尚弥VSネリを正式発表、Amazon プライム・ビデオで独占生配信

　ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が6日、都内で会見し、5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ（メキシコ）との防衛戦を行うとついに正式発表した。過去の騒動で無期限資格停止処分を受けていた“悪童”との歴史的一戦。この日は来日したネリも出席し、早くも両者が対面した。過去に体重超過を犯したネリに対し、井上陣営の大橋秀行会長は再び違反した場合、「絶対に（試合を）やりません」と断言した。

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　ネリは2017年8月、WBC世界バンタム級王者だった山中慎介（帝拳）に挑戦。4回KO勝ちで王者になったが、その後の薬物検査で陽性反応が出た。18年3月の再戦では前日計量で2.3キロの大幅な体重超過。再計量も1.3キロオーバーで王座剥奪されたが、強行された試合で2回TKO勝ち。日本ボクシングコミッション（JBC）から国内のライセンス無期限停止処分を受けた。

　大橋会長は会見後に取材に応じ、「1ポンドでもオーバーすれば絶対にやりません」と断言。ファイトマネーの支払いについては「払わない。当然です」と気丈に語った。

　ネリは山中戦以降海外でリング復帰したが、バンタム級で2度体重超過。スーパーバンタム級に転向し、20年9月に世界2階級制覇した。21年5月の統一戦で敗れたが、再起後は4連勝中。昨年2月のWBC挑戦者決定戦を制し、井上への挑戦権を手にした。今年2月、ネリ陣営はJBCに謝罪と資格回復を求める書面を提出。慎重に判断された結果、規定に基づき、処分が解除された。

　この日は「申し訳なかったと謝りたい。2度裏切ったけど、今回は節制して調整している」と日本のファン、プロモーター、山中氏に謝罪。大橋会長は「反省していましたね。すでにドーピング検査もしているし、事前計量も両者やってクリアしている。大丈夫だと思う」と及第点を与えた。設定する東京ドームの収容人数は未定ながら、「5万人か？」の問いに「それくらいあるのでは」と話した。

　ボクサーとしての印象は「井上にとって怖さは過去一番。パンチがある。ドネアもあったけど、怖さもネリはある」と警戒。「最近は井上に対して倒しに来る選手がいなかった。今回の相手は倒しに来るし、勝ちに来る。前半で勝負は決まるでしょう。目が離せないとはこのこと」と白熱する試合に期待した。今後も事前計量（30日前、15日前、7日前）とVADAによる抜き打ちのドーピング検査も義務付け、厳格な体制で興行を成立させる。

　井上は「過去に因縁があるのもわかっています」としながら、「今回の試合は自分対ネリ。先ほどもネリが挨拶で言っていたけど、反省していると。過去の因縁は持ち込まないように戦いたい」と強調した。同日は世界戦が日本史上最多の4試合も入る超大型興行と発表。東京Dのボクシング興行は1990年のマイク・タイソン以来34年ぶり。井上は日本人初のメインイベントを務める。