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「正直レースから逃げたい」 100m障害女王・福部真子、本番2日前に重圧告白「心臓バックバク」

8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が6月1日から4日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。5月31日は大阪・ヨドコウ桜スタジアムで一部選手が会見。女子100メートル障害日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)は、3位以内に入れば代表内定となる。予選と準決勝が2日目、決勝は3日目に行われる。

会見に出席し、カメラに向かってポーズを取る福部真子【写真:浜田洋平】
会見に出席し、カメラに向かってポーズを取る福部真子【写真:浜田洋平】

陸上・日本選手権が6月1日開幕

 8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が6月1日から4日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。5月31日は大阪・ヨドコウ桜スタジアムで一部選手が会見。女子100メートル障害日本記録保持者・福部真子(日本建設工業)は、3位以内に入れば代表内定となる。予選と準決勝が2日目、決勝は3日目に行われる。


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 会見場に登場した福部は「よろしくお願いします」と一礼。「心臓がバックバクで夜も眠れないくらい不安です」と苦笑いし、「目標はしっかり自分の走りをして3番以内に入ることを目標にしたい」と意気込んだ。

「なかなか冬季に積んだエンジンを出し切れていないことに歯がゆさがある。練習でもエンジンを使いのこなせていない。なかなか調子が上がってこないのが今の正直な状態。それでも去年の一番体がキレていた時のレベルを出せているのは悲観することはない。3レースあるので決勝に状態が上がっていくようなレースができれば」

 12秒73の日本記録保持者の福部は、参加標準記録12秒78を唯一突破しているため、3位以内に入れば代表に内定するが、争いは激しくなりそうだ。寺田明日香(ジャパンクリエイト)と青木益未(七十七銀行)の自己ベストはともに日本歴代2位の12秒86。寺田は5月21日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)でマークし、優勝で弾みをつけた。

 さらに4月末の織田記念国際を12秒97で制した田中佑美(富士通)は、セイコーGGPで自己ベスト12秒89の2位。清山ちさと(いちご)も12秒96を出し、12秒台の選手が5人も名を連ねる。福部は女王としての責任や苦悩を告白した。

「ハイレベルすぎて、陸上を始めてからこんなにハイレベルなレースを体験するのは初めて。まず世界選手権の標準記録を切った上で日本選手権に挑むのは全く想像していなかった。この感情は初めて。不安だし、勝手に自滅しそうなくらい自分で自分を追い詰める時もある。けど、こういう感情を味わうのもほんの一握り。味わえることに感謝しないといけない。

 ここまで来られたことを受け止めて、成長したなと思いたい。そう思いつつ、やっぱり不安とドキドキも勝っています(笑)。正直、レースから逃げたい(笑)。でも、自分のレースを楽しみにしてもらえるのはありがたいし、楽しみにしてもらえるのが当たり前じゃないというは経験してきた。感情を噛み締めてあと2日を過ごしたい」

 福部は高校時代はインターハイ3連覇。「天才」という肩書きに苦しんだが、昨年日本選手権で涙の初優勝を飾った。7月のオレゴン世界陸上でも準決勝進出。最大の目標は来年パリ五輪で日本人初の決勝進出だ。冬は肉体改造で筋力アップに成功した。

「インハイ3連覇の時と同じくらい不安、変な気負いがあるけど、言葉では表せられない感情。標準を突破して3番以内に入るという状況が27年生きてきて初めて。AIと戦うのではなく、人間と戦うので絶対はない。予選でいい走りをしたら翌日にいい走りができるわけじゃない。自分のリズムを崩さずに10台を走り抜けることが鍵になると思う」

 レースは雨予報だが、「雨だからどうのこうのはない。レースでは気にならないけど、アップから召集までの時間の過ごし方は考えないといけない」と説明。ディフェンディングチャンピオンとしての心境を問われると、「そっか私、ディフェ…」と苦笑い。女王としてまだ自信が持てていないことを明かした。

「日本記録を出した時から自分が日本記録保持者としてふさわしいのとか、どうすればふさわしくなるのかとか、この冬にずっと考えながら練習した。去年優勝したことを忘れるくらい他の選手へのリスペクトがある。常連の選手とかを考えると、どんな気持ちで毎年ここに合わせてきたんだろうと。本当に胸を張ってディフェンディングチャンピオンと言えない自分もいるし、日本記録保持者として恥ずかしいところもある。

 そういうところを今年、一つ抜け出したい。変えていけるような一年にしていきたいと思っていて、優勝よりもどんなレースをするか。記録は出る時に出るし、けど、一番大事なのは決めなきゃいけない時に決めること。勝たなければいけない時に勝つこと。そういう強さが私にはないと感じている。来年、再来年と一歩一歩自信を着実につけていけるようになりたい。結果とか、タイムは出すものというより出るもの。その先に連覇があればいいなととらえています。結果としてついてくれば」

 どんな大会にしたいのか。最後に「笑って終えたいですね。ほんとそれだけです」と笑った。予選と準決勝が2日目、決勝は3日目に行われる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)




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