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大学・社会人アスリート向け 「体重を増やしたい時」の食事の6つのポイント

「増量時の食事のポイント」を6つ紹介

【増量が必要なアスリート】

 1か月に体重の2~3%の増加率(80kgであれば1.6~2.4kg)が無理のない増量ペースと考えられています。参考までにアメリカ栄養士会のスポーツ循環器栄養グループ(SCAN)では、増量時は通常よりも1日あたり男性で400~500kcal、女性で300~400kcal増を目安に、様子を見ながら増やすようアドバイスしています。

 体重が増えない、減りやすい選手の多くは「食事の選び方がわからず、十分な摂取エネルギー量が摂れていない」か「もともと、食が細く量をたくさん食べられない」かの2タイプが多いように思います。後者の場合、胃腸が弱い選手も少なくないため、消化に良いものを小分けにして食べるなど工夫が必要です。

■朝食は必ず糖質とたんぱく質をセットで摂る

 朝の起き抜けは、夕食後、何も口にしないまま朝を迎えるまでに、体内のたんぱく質の分解が高まっています。ですから朝食は必ず、パン+ハムエッグ、ご飯+納豆、目玉焼きなど、エネルギー源の糖質、筋肉の材料になるたんぱく質をセットで摂りましょう。

■補食は時間を決めて1日2~3回摂る

 体重が増えない選手の共通項の一つに、補食を摂る習慣がないことが挙げられます。プロテイパウダーを飲んだとしても、運動で消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーが不足すると筋肉量も増えにくいため、補食では食事で取り切れないエネルギー源やたんぱく質の多いものをプラスしましょう。摂り方は「10時と15時」など時間を決めて、毎日、午前・午後の各1回。牛乳+バナナ、しゃけおにぎり、炭火焼き焼き鳥おにぎりなど糖質とたんぱく質を一緒に摂ること。糖質もしっかり摂れるプロテインバーもおすすめです。

■昼食はおかずがしっかり摂れるものを

 そばや(夏なら)冷やし中華など麺類一品で終わらせる、食の細い選手もよく見かけます。1食でもたんぱく質が少なくなると、体たんぱく質の合成が効率良く行われません。外食・社食などでは、肉や魚を使ったおかずがとれるセットメニューを選び、麺類などを選ぶ場合は、別途、サラダチキンやチーズ、冷ややっこ、ヨーグルトを購入するなどしてプラス。パスタを自炊するならば、ツナ缶を1缶加えるなどしてたんぱく質をしっかり摂って。

■午後の練習後は即、糖質+たんぱく質を補給

 練習・トレーニング後は、筋たんぱく質の合成を高めるたんぱく質と、筋グリコーゲンの材料となる糖質を、なるべく早く補給を。糖質はゼリー飲料やおにぎりやバナナ、たんぱく質はプロテインパウダー(あえて牛乳に溶かし、しっかりたんぱく質を補給するのもよい)やプロテインバーなどが摂りやすいでしょう。

■夕食は低脂肪、高たんぱく質、ご飯はトレーニング量に合わせてしっかりと

 1日の中で一番ゆっくりと時間をかけて食べられるのが夕食。主菜は鶏胸肉のソテーや焼き魚、刺身など良質のたんぱく質を。低脂肪・高たんぱくを心掛け、揚げ物や油でソテーしたおかずは控えましょう。ご飯はその日の全体の食事の量やトレーニング内容に合わせて調整を。付け合わせや汁物、副菜で野菜、きのこ、海藻もたっぷり食べます。

■それでも体重が増えない人は就寝前に果物や牛乳を

 以上のことを続けても、思い通りに体重が増えない場合は、寝る前にたんぱく質や糖質を補給。牛乳、ヨーグルト、果物など、必ず胃腸に負担の少ないものを選びましょう。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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