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指名漏れ&戦力外軍団の快進撃…韓国の2軍球団が優勝できた理由 4人の日本人助っ人が発揮した“らしさ” 

日本のプロ野球にはオイシックスとハヤテという、1軍を持たない“2軍球団”が2つある。ドラフト指名がなかった選手や、NPB12球団を戦力外となった選手で構成されたチームが勝ち星を伸ばすのは至難のワザ。リーグ参加から3年間、上位進出を果たした例はない。ただ今年、韓国プロ野球に誕生した2軍球団「蔚山(ウルサン)ホエールズ」はリーグ優勝を果たし、2軍韓国シリーズの決勝戦までたどり着いた。一体何が違ったのか。最後は4人にまで増えた日本人選手の声とともに紹介したい。(取材・文=羽鳥慶太)

蔚山でプレーした4人の日本人投手(右から小林、岡田、薗、長)【写真:羽鳥慶太】
蔚山でプレーした4人の日本人投手(右から小林、岡田、薗、長)【写真:羽鳥慶太】

日本の2軍球団と条件は同じ…意外な快進撃の裏に4人の日本人投手

 日本のプロ野球にはオイシックスとハヤテという、1軍を持たない“2軍球団”が2つある。ドラフト指名がなかった選手や、NPB12球団を戦力外となった選手で構成されたチームが勝ち星を伸ばすのは至難のワザ。リーグ参加から3年間、上位進出を果たした例はない。ただ今年、韓国プロ野球に誕生した2軍球団「蔚山(ウルサン)ホエールズ」はリーグ優勝を果たし、2軍韓国シリーズの決勝戦までたどり着いた。一体何が違ったのか。最後は4人にまで増えた日本人選手の声とともに紹介したい。(取材・文=羽鳥慶太)

 韓国に2軍球団が生まれたのは今シーズンから。昨オフ一気に話が進み、韓国東南部の自治体「蔚山市」がチーム運営に手を挙げた。ヒョンデ自動車の大工場がある海辺の工業都市だ。年明けにトライアウトを行って選手を集め、2月にはチェジュ島でキャンプ。すべてが手探りのまま始まったシーズンを戦い抜いた。

 そして意外なことに、この寄せ集めチームが快進撃を見せたのだ。韓国プロ野球の2軍は1軍10球団と軍隊チームのサンム、そして蔚山の計12球団が、南北の2リーグに分かれて戦う。蔚山はロッテとの熾烈な争いを制し南部リーグで優勝を飾った。4球団が進出する優勝決定戦でも、準決勝に勝ち決勝へ。サンムに3-7で敗れ優勝はならなかったもののインパクト十分の1年だった。

 チームを率いたチャン・ウォンジン監督は、日本にも2軍球団があることを知っており「オイシックスとハヤテですよね? 実は蔚山も、同じような成績になるのではないかと思っていました」と本音を口にする。選手の中心となるのは、ドラフト指名を受けられなかった選手や既存球団を戦力外となった選手たち。条件は日本と同じだ。なかなか勝てないことを覚悟して監督を引き受けたという。

 それを覆したのが、最終的に4人まで増えた日本人選手だった。「日本から来た投手がとにかく本当によく投げてくれた。うちは打撃が少し弱いのですが、投手力で1年を戦い抜いてこられました」。2軍も打高投低の韓国で、チーム打率.244は12球団の最下位。得点はブービーだ。2軍球団に最も足りないものは長打という傾向は、日本と変わらない。その中で日本人が生み出してくれる“違い”に勝機を求めた。

 元広島の岡田明丈投手がリーグ2位の防御率2.40で6勝。元ソフトバンクで、昨年はオイシックスで投げた小林珠維投手はリーグ2位の9勝を挙げた。独立BCリーグの群馬からやってきた長大聖投手は2軍のオールスターにも選ばれ8勝。100奪三振はリーグ最多でタイトルも獲得した。さらに後半戦には群馬から薗雄斗投手を補強し、12試合にリリーフして防御率1.23という好成績を残した。

 指揮官はソフトバンクにコーチ留学したことがあり、日韓の野球の違いも、日本からやってきた4人が平坦ではない道を歩いたことも知っている。「日本にはABS(機器によるストライク判定システム)がない中で、最初は苦労していましたけどうまく適応してくれたと思います」。今年、韓国プロ野球にはアジア枠が導入され、1軍各球団にも多くの日本人が加わった。「うちの4人も、その選手たちにまったく劣らない選手だと思います」と実力を高く評価している。

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