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指名漏れ&戦力外軍団の快進撃…韓国の2軍球団が優勝できた理由 4人の日本人助っ人が発揮した“らしさ” 

2軍の韓国シリーズに登板した長【写真:羽鳥慶太】
2軍の韓国シリーズに登板した長【写真:羽鳥慶太】

「育成も重要ですが…」勝利に全振りした韓国ならではの理由

 では、日本人投手は何がすぐれているのか。現役時代はスイッチヒッターの好打者だった指揮官は「球速を出せるのもありますが、まず精巧なコントロールが韓国の選手と違います。これは韓国のプロ野球選手が、日本と比べた時に少し弱い部分だと思います」と見ている。蔚山の4人はそれぞれ150キロ前後の球速も出せるが、期待されたのは日本人のイメージ通りのきめ細やかさだった。「さらに彼らから、韓国の若い選手も学ぶことができましたからね。いいシーズンだったと思います」と、チーム全体の進化にもつながったという。

 そして彼らを重点起用した裏には、韓国ならではの事情もあった。指揮官は「私たちは選手の育成も重要ですが、今年が球団の初年度です。勝つ野球をしたかったので、投手の起用やローテーションも勝利の方に重きを置きました」とはっきり口にする。

 実はシーズン中の6月に統一地方選があり、蔚山では球団設立を主導した市長が落選。市から球団への支出は税金となるため、新市長は球団の意義や、地域に与える価値を問い直す姿勢を見せていた。現場としては、何よりも勝つことで注目や支持を集める必要があったのだ。

 期待通りの活躍を見せた日本人選手にとっては、どんな1年だったのか。「こんな経験めったにない」と話す長は、蔚山の特異性を「日本語が使いやすい環境ではあったので、何かあったらすぐに相談できる。海外でプレーする時の難易度がちょっと下がる感じだったのはよかったかもしれません」と振り返る。1軍のアジア枠は、各球団にひとつずつ。通訳がつく球団が大半とはいえ、疑問をすぐに母国語で解消するわけにはいかなかったのとは対照的だ。

 一方で長は、ハングルを学び韓国選手の中にも積極的に入っていった。「韓国の選手から、自分のピッチングってどう見えるのか気になったんです。意見交換は結構やってましたね」。ここでも、制球力やスライダーの軌道に驚かれることが多く「やっぱり日本人らしい部分が評価された」と感じた。そうした意見も取り入れて、韓国の投手とは違うスタイルを作っていった。

「だから今年は、自分のまっすぐを信用しすぎないようになりましたね」

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